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菌ちゃん農法をプランターで実践!初心者でもわかる土作りと育て方

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菌ちゃん農法をプランターで実践!初心者でもわかる土作りと育て方

イントロダクション

この世にはさまざまな農法が存在します。

ここでは自宅のベランダを使った家庭菜園で、無農薬・無肥料の野菜作りに挑戦してみたいという方向けに書いてみました。

今話題の菌ちゃん農法は、プランターさえあれば、都会の限られたスペースでも実践可能な農法です。

しかし、いざ始めようと思っても、「具体的なやり方が分からない」「プランターのサイズはどれくらいがいいの?」「どんな土を用意すればいいのだろう」といった疑問や、「水やりや植え付けで失敗したくない」という不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

また、マルチの役割や、生ゴミを本当に活用できるのかという点も気になるところです。

この記事では、菌ちゃん農法をプランターで始めるために必要な知識を、土作りから丁寧に解説します。

初心者の方が抱える疑問や不安を解消し、元気で美味しい野菜を育てる第一歩をサポートします。

この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。

  • 菌ちゃん農法に適したプランターの選び方と土作りの手順
  • 糸状菌を元気に増やすための具体的な管理方法
  • 初心者が陥りがちな失敗とその原因・対策
  • 無駄なく資源を循環させる栽培のコツ

菌ちゃん農法プランターの始め方と準備

ここでは、菌ちゃん農法をプランターで始めるための基本的な考え方と、事前に準備すべきものについて解説します。

  • 家庭菜園で始める無肥料栽培の魅力
  • ベランダで実践する場合の注意点
  • 推奨されるプランターのサイズと深さ
  • 菌ちゃんが喜ぶ土の選び方と条件
  • 図解でわかるやり方プランターの仕込み

家庭菜園で始める無肥料栽培の魅力

家庭菜園で始める無肥料栽培の魅力

菌ちゃん農法の最大の魅力は、化学肥料や農薬を一切使わずに、野菜本来の力強い味わいを引き出せる点にあります。

微生物、特に糸状菌の働きを活かして土壌を豊かにすることで、野菜自身が病害虫に強くなり、栄養価も高くなる傾向があるのです。

また、肥料や農薬を購入する必要がないため、コストを抑えて野菜作りを楽しめるのも大きなメリットです。

落ち葉や枯れ草といった身近な自然物を活用し、土壌環境を整えていくプロセスは、自然のサイクルを身近に感じられる貴重な体験となります。

家庭菜園を通じて、環境に優しく、かつ経済的な自給自足の第一歩を踏み出すことが可能です。

ベランダで実践する場合の注意点

ベランダで実践する場合の注意点

ベランダで菌ちゃん農法を実践する際には、いくつか注意すべき点があります。

まず、プランターの重量です。土や有機物、水を含むとかなりの重さになるため、ベランダの耐荷重を確認しておくことが大切です。

特に大型のプランターを複数置く場合は注意してください。

次に、日当たりと風通しです。

多くの野菜は十分な日光を必要としますが、夏の強い西日は土壌の急激な乾燥を招く可能性があります。

すだれなどで調整すると良いでしょう。

また、風通しが悪いと湿気がこもり、病害虫の原因になることもあります。

最後に、水やりに関する配慮が求められます。

プランターから流れ出た水が階下の迷惑にならないよう、大きな受け皿を用意するなどの対策が必要です。

集合住宅のルールを確認し、周囲の住民と良好な関係を保ちながら楽しみましょう。

推奨されるプランターのサイズと深さ

推奨されるプランターのサイズと深さ

菌ちゃん農法で使うプランターは、なるべく大きくて深いものを選ぶのが成功の鍵となります。

なぜなら、土の量が多いほど土壌内の温度や水分の変化が緩やかになり、微生物が安定して活動できる環境を維持しやすくなるからです。

具体的には、深さが30cm以上あるプランターが推奨されています。

容量としては、小型の葉物野菜でも20L以上、トマトやナスのような実のなる野菜を育てるなら40L以上の大型プランターが理想的です。

プランターの種類 深さの目安 容量の目安 適した野菜の例
標準プランター 25cm~30cm 20L~30L レタス、春菊、ネギ
深型プランター 30cm~40cm 30L~50L トマト、ナス、ピーマン、きゅうり
菜園ポット(10号以上) 28cm以上 10L以上 ミニトマト、ハーブ類

プランターの材質は、軽くて扱いやすいプラスチック製が一般的ですが、通気性の良い素焼き鉢なども選択肢になります。

ご自身の環境や育てたい野菜に合わせて選びましょう。

菌ちゃんが喜ぶ土の選び方と条件

菌ちゃんが喜ぶ土の選び方と条件

菌ちゃん農法の主役である糸状菌は、肥料分の多い環境を好みません。

そのため、土作りには肥料成分が含まれていない土、もしくは肥料分が抜けた「使い古しの土」を使うのが最も理想的です。

一年以上野菜を育てた後のプランターの土があれば、ぜひ再利用してください。

もし使い古しの土がない場合は、肥料の入っていない「赤玉土(小粒)」と「腐葉土」を6:4程度の割合で混ぜて作る方法があります。

市販の培養土を使う場合は、必ず「肥料無配合」と明記されたものを選びましょう。

 土のミネラル補給

野菜の健全な生育には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが欠かせません。

これを補うために、土に「カキ殻石灰」を少量混ぜ込むことが推奨されています。

カキ殻石灰はゆっくりと溶け出し、土壌の酸度を穏やかに調整する効果も期待できます。

大型プランター(40L~50L)であれば、50g~100g程度が目安です。

図解でわかるやり方プランターの仕込み

図解でわかるやり方プランターの仕込み

ここでは、プランターで菌ちゃん農法の土を仕込む具体的な手順を解説します。

作業を始める前に、土や落ち葉などの有機物をあらかじめ湿らせておくとスムーズです。

握ると固まり、指でつつくと崩れるくらいの湿り気が理想です。

ステップ1:鉢底に粗い資材を敷く

プランターの底に、水はけと通気性を良くするための資材を敷きます。

太さ2~3cmほどの木の枝を5~10cmの長さに折って敷き詰めるのがおすすめです。

枝がない場合は、「鉢底石」で代用できます。

高さ5~7cm程度を目安に敷き詰めてください。

ステップ2:細い枝や枯れ草を入れる

次に、ステップ1で敷いた太い枝の上に、より細かい枝や枯れ草などを重ねます。

これは、上から入れる土が底に流れ落ちて目詰まりするのを防ぐためです。

 ステップ3:土を入れる

用意した土をプランターの9分目まで入れます。

このとき、土を強く押し固めないように注意してください。

ふんわりと入れることで、土の中に適度な空気が保たれます。

ステップ4:菌ちゃんのエサ(有機物)を乗せる

土の上に、糸状菌のエサとなる有機物を乗せます。

公園や林で集めた落ち葉や枯れ草、半年ほど野ざらしにしたもみ殻などが最適です。

すでに白い菌糸が付いているものがあれば、ぜひ加えましょう。

厚さは10~15cmほど、プランターの縁までこんもりと乗せます。

 ステップ5:仕上げの土をかぶせる

有機物の上に、仕上げの土を薄くかぶせます。

有機物の隙間にも土が入り込むように、軽く手で押さえながらなじませます。

これにより、有機物層の乾燥を防ぎ、菌糸が伸びやすい環境を作ります。

この後、黒マルチをかけて2~3ヶ月間置けば、菌ちゃんいっぱいの土が完成します。


菌ちゃん農法プランター栽培のポイント

土の仕込みが終わったら、いよいよ栽培のステップに進みます。

ここでは、マルチの効果的な使い方から、植え付け、日々の管理、そして起こりうるトラブルへの対処法まで、栽培を成功させるための重要なポイントを解説します。

  • 黒マルチの役割と効果的な使い方
  • 菌が増えた後の苗の植え付け方法
  • 適切な水やりの頻度と量の目安
  • 生ゴミを活用した堆肥づくりのコツ
  • よくある失敗例とその対処法
  • 菌ちゃん農法プランターで野菜を育てよう

黒マルチの役割と効果的な使い方

黒マルチの役割と効果的な使い方

黒マルチは、菌ちゃん農法において非常に重要な役割を担います。

主な役割は、土壌の水分を適度に保ち、過度な乾燥や雨による過湿を防ぐことです。

糸状菌は急激な環境変化に弱いため、マルチによって土の中の環境を安定させることが、菌の増殖を助けます。

また、黒い色が太陽光を遮るため、雑草が生えるのを抑制する効果もあります。これにより、除草の手間を大幅に減らすことができます。

使い方は、仕込んだプランターの表面をすっぽりと覆い、風で飛ばされないようにビニール紐などで縛るだけです。

このとき、完全に密閉するのではなく、数カ所に空気穴を開けておくのがポイントです。

これにより、菌の呼吸に必要な空気が供給されます。もし黒マルチがなければ、黒いゴミ袋でも代用可能です。

菌が増えた後の苗の植え付け方法

菌が増えた後の苗の植え付け方法

仕込みから2~3ヶ月が経ち、マルチをめくって土の表面や有機物の間に白い綿のような菌糸がたくさん見えたら、植え付けのサインです。

まず、マルチに苗を植える大きさの穴を開けます。

次に、その部分の有機物(落ち葉など)を少し横にどかし、下の土が見えるようにします。

そして、その土の部分に拳で「グーパンチ」をするように穴をぐっと押し開けます。

これは、土に圧をかけて毛細管現象を促し、下からの水分供給を助けるためです。

開けた穴にジョウロで水をたっぷりと注ぎ、水が引いたら苗ポットから優しく苗を取り出して植え付けます。

最後に、周りの土を寄せて株元を軽く押さえ、もう一度水をやさしくかければ完了です。

畑の場合、夏場はマルチの熱風で苗が傷まないよう、穴の周りを土で塞ぐといった工夫も必要になります。

適切な水やりの頻度と量の目安

適切な水やりの頻度と量の目安

菌ちゃん農法での水やりは、一般的な家庭菜園とは少し考え方が異なります。

基本は、「土の表面が乾いたら、たっぷりと与える」です。

糸状菌は過湿を嫌うため、毎日少しずつ水を与えるのではなく、メリハリをつけることが大切です。

特にマルチをしている場合は土が乾燥しにくいため、水やりの頻度はかなり少なくなります。

頻繁にマルチをめくって土の状態を確認し、乾いているのを確認してから水やりをしましょう。

野菜が成長して水を多く必要とする時期でも、やりすぎには注意が必要です。

また、お米のとぎ汁(一番最初の濃いもの)を薄めて水やりに使うと、微生物のエサとなり、土がより豊かになると言われています。

ただし、これも与えすぎは禁物です。

生ゴミを活用した堆肥づくりのコツ

生ゴミを活用した堆肥づくりのコツ

菌ちゃん農法は、生ゴミを堆肥化して活用する「生ゴミコンポスト」と非常に相性が良いです。

家庭から出る野菜くずなどを堆肥にすることで、ゴミを減らし、次の野菜作りのための豊かな土壌資源として循環させることができます。

ただし、どんな生ゴミでも良いわけではありません。

菌ちゃん農法で活用しやすいのは、野菜や果物の皮、卵の殻など、植物由来のものです。

一方で、調理済みの食品、油物、塩分の多いもの、肉や魚の骨などは、分解が遅かったり、悪臭や害虫の原因になったりするため避けた方が無難です。

完成した堆肥は、新しいプランターを仕込む際に、菌ちゃんのエサとなる有機物層に混ぜ込むことで、より多様な微生物が豊富な土を作ることができます。

よくある失敗例とその対処法

よくある失敗例とその対処法

初心者の方が陥りがちな失敗と、その対策をまとめました。トラブルの原因を知り、適切に対処することが成功への近道です。

よくある失敗例 主な原因 対処法
糸状菌が増えない ・水分が多すぎる、または少なすぎる<br>・土に肥料分が残っている<br>・有機物(エサ)が不足している ・水やりを控え、土の乾燥状態を確認する<br>・一度葉物野菜などを育てて肥料分を消費させる<br>・落ち葉や枯れ草などの有機物を追加する
虫が大量に発生する ・窒素肥料が多すぎる(新しい培養土など)<br>・緑色の草など、未発酵の有機物を入れた<br>・株が弱っている ・肥料分のない土に入れ替えるか、時間を置く<br>・有機物は十分に乾燥・発酵させたものを使う<br>・風通しを良くし、株が元気に育つ環境を整える
野菜がうまく育たない ・菌が十分に増える前に植え付けた<br>・日照不足や水分管理の不適切<br>・プランターが小さすぎる ・仕込みから最低2~3ヶ月は待つ<br>・置き場所や水やりの頻度を見直す<br>・野菜の成長に合ったサイズのプランターを選ぶ

失敗を恐れずに、まずは試してみることが大切です。

土の状態をよく観察し、何が原因かを考えることで、次の成功に繋がります。

菌ちゃん農法プランターで野菜を育てよう

  • 菌ちゃん農法は化学肥料や農薬を使わない栽培方法
  • プランター栽培では深さ30cm以上のものが理想
  • 土は肥料分のない使い古しの土か無肥料の土を選ぶ
  • プランターの底には水はけを良くする枝や鉢底石を敷く
  • 土の上に菌のエサとなる落ち葉や枯れ草を乗せる
  • 黒マルチは土の保湿・保温と雑草防止に役立つ
  • 仕込み後は菌が増えるまで2~3ヶ月間待つ
  • 土の表面に白い菌糸が見えたら植え付けのサイン
  • 植え付けの際は穴に圧をかけてから水を注ぐ
  • 水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと行う
  • 過湿は糸状菌が苦手なため水のやりすぎに注意する
  • 米のとぎ汁は微生物のエサになるが適量を心がける
  • ベランダではプランターの重量や水漏れに配慮する
  • 失敗の原因を探り、土の状態を観察することが上達のコツ
  • 菌ちゃん農法は自然のサイクルを学びながら野菜作りを楽しめる

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