趣味で家庭菜園をやってる人には無用の記事です(笑)
「節約のために家庭菜園を始めたのに、思ったよりお金がかかる…」と感じている人に向けてます。
- お金をかけずに家庭菜園を始めるための具体的な工夫
- 節約効果が高い「元が取れる野菜」の選び方と種類
- 家庭菜園を楽しみながら食費を抑えるための考え方
家庭菜園は節約にならないと言われる理由
- 初期費用や維持費が意外と高い
- 栽培の手間と収穫量のバランス
- 買った方が安い野菜も存在する
初期費用や維持費が意外と高い
家庭菜園が節約にならないと感じる最も大きな原因は、始める際にかかる初期費用と、栽培を続ける上で発生する維持費にあります。
まず、家庭菜園を始めるためには、プランターや鉢、培養土、肥料、鉢底石、ジョウロ、スコップといった道具を一通り揃える必要があります。
これらをすべて新品で購入すると、小規模なプランター栽培であっても、5,000円から10,000円程度の出費になることは珍しくありません。
特に、デザイン性のあるおしゃれなプランターを選んだり、特定の野菜専用の土や肥料を購入したりすると、費用はさらにかさみます。
さらに、栽培を始めてからもコストは発生し続けます。
一度使用した土は栄養が偏ったり、病原菌が潜んでいたりする可能性があるため、次の作物を育てる際には新しい土に入れ替えるのが基本です。
また、作物の成長に合わせて追加する肥料や、消耗品である防虫ネットなども定期的に購入が必要になります。
見落としがちなのが水道代で、特に夏場は水やりの頻度が増えるため、家庭菜園をしていない時期に比べて水道代が1.5倍以上になるケースも報告されています。
これらの積み重ねが、「思ったよりお金がかかる」という実感につながり、節約効果を疑問視する一因となっていると考えられます。
栽培の手間と収穫量のバランス
費やした手間や時間に対して、期待したほどの収穫量が得られない場合、「割に合わない」と感じやすくなります。
これも家庭菜園が節約にならないと結論付けられる一因です。
野菜を育てるには、種まきや植え付けだけでなく、日々の水やり、定期的な追肥、雑草取り、病害虫のチェックと対策など、地道な作業が欠かせません。
特に、アブラムシやコナガなどの害虫が発生すると、駆除に多くの時間を費やすことになります。
これらの労働時間を時給換算した場合、スーパーで数百円で買える野菜のために、果たして見合っているのかと疑問に思う人も少なくありません。
また、栽培する規模が小さいと、当然ながら収穫できる量も限られます。
ミニトマトを数個、きゅうりを数本収穫できたとしても、かけた労力に見合う満足感や節約効果は得にくいかもしれません。
さらに、収穫のタイミングを逃してしまう失敗も意外と多くあります。
忙しさから収穫を後回しにしているうちに、野菜が育ちすぎて硬くなったり、味が落ちたりして、結局食べられずに無駄にしてしまうケースです。
このように、かけた労力と得られる成果のバランスが取れていないと感じたときに、家庭菜園の節約効果に対する懐疑的な見方が生まれます。
買った方が安い野菜も存在する
すべての野菜が家庭菜園でお得に作れるわけではなく、スーパーマーケットなどで購入した方が結果的に安く済む野菜も実際にあります。
例えば、じゃがいも、大根、玉ねぎ、キャベツといった重量のある野菜は、スーパーで比較的安価に、かつ安定して販売されています。
これらの野菜を家庭菜園で育てようとすると、広い栽培スペースや大量の土が必要となり、管理の手間も増えます。
結果として、苗や種の費用、土代、肥料代などを合計すると、購入価格を上回ってしまうことも少なくありません。
また、きゅうりやナスなども、一見すると収穫量が多くてお得に感じられますが、病気にかかりやすく、適切な支柱立てや剪定といった管理が求められます。
これらの手間を考慮すると、特売で1本数十円で手に入ることを考えれば、必ずしもコストパフォーマンスが高いとは言えない場合があります。
一方で、ハーブ類やベビーリーフ、みょうがといった香味野菜は、購入すると少量で高価なことが多いです。
これらは比較的育てやすく、必要な分だけ収穫できるため、家庭菜園で育てるメリットが大きい野菜と言えます。
どの野菜を育てるかによって節約効果は大きく変わるため、やみくもに好きな野菜を育てるだけでは、節約につながらないという結果を招きやすいのです。
家庭菜園で節約にならない状況を覆す方法
- お金をかけない工夫でコストを削減
- 再生栽培や自家製堆肥も選択肢に
- 元が取れる野菜選びの条件とは
- コスパ最強で育てやすい野菜を紹介
- 買うと高い野菜は何かを把握する
- 庭で放ったらかしでも育つ野菜はこれ
- 家庭菜園だけで生活するのは現実的か
- 家庭菜園が節約にならないを防ぐには
お金をかけない工夫でコストを削減
家庭菜園にかかる費用は、身近なものを活用する工夫次第で大幅に削減することが可能です。
高価な園芸用品を揃えなくても、家庭菜園は十分に始められます。
プランターや道具の代用
プランターは、必ずしも園芸店で販売されている専用品を使う必要はありません。
例えば、スーパーでもらえる発泡スチロールの箱や、2Lのペットボトル、使わなくなったバケツなども、底に水はけ用の穴を開けるだけで立派なプランターとして機能します。
特に発泡スチロールの箱は、断熱性が高く土の温度を一定に保ちやすいというメリットもあります。
ジョウロはペットボトルのキャップにいくつか穴を開ければ代用できますし、スコップも丈夫なプラスチック容器や子どもの砂場セットなどで間に合う場合があります。
支柱も、100円ショップで販売されている園芸用の棒や、折れてしまった物干し竿などを活用することでコストを抑えられます。
水道代の節約
夏場の水道代を抑えるためには、雨水の活用が非常に有効です。
ホームセンターなどで販売されている雨水タンクを設置すれば、無料で水やり用の水を確保できます。
自治体によっては雨水タンクの設置に助成金が出る場合もあるため、お住まいの地域の制度を確認してみることをおすすめします。
このように、専用品にこだわらず、アイデア次第でコストは大きく変わります。
まずは家の中にあるもので代用できないか考えてみることが、節約への第一歩となります。
再生栽培や自家製堆肥も選択肢に
購入するものを減らすという観点から、再生栽培(リボベジ)や自家製堆肥の活用は、コストを抑えながら家庭菜園を楽しむための非常に有効な手段です。
再生栽培(リボベジ)で種苗代を節約
再生栽培とは、普段捨ててしまう野菜の根やヘタの部分を再利用して、もう一度育てる方法です。
この方法なら、種や苗を購入する費用がかかりません。
代表的なものに豆苗があります。
スーパーで購入した豆苗の根元部分を少し残してカットし、水を張った容器に浸しておくだけで、1週間から10日ほどで新しい芽が伸びてきて再収穫できます。
同様に、ネギの根元や、ニンジン、大根のヘタなども水に浸けておくことで葉を再生させることができ、薬味や料理の彩りとして活用できます。
ただし、衛生管理が重要で、水は毎日取り替えないと腐敗やカビの原因となるため注意が必要です。
自家製堆肥で肥料代を節約
家庭から出る生ゴミを利用して堆肥を自作すれば、肥料代を大幅に節約できるだけでなく、ゴミの減量にもつながり一石二鳥です。
野菜くずや果物の皮、卵の殻、コーヒーかすやお茶がらなどを、コンポストと呼ばれる専用容器や段ボール箱に入れて発酵させることで、栄養豊富な堆肥を作ることができます。
注意点として、肉や魚、油分の多いもの、塩分の多いものは分解が遅く、悪臭や害虫の原因となるため堆肥作りには向きません。
手間をかけたくない場合は、自治体の助成金制度などを利用して電動生ごみ処理機を導入するのも良い選択肢です。
これらの方法は、資源を循環させる持続可能な家庭菜園の実践にもつながります。
元が取れる野菜選びの条件とは
家庭菜園で確実に節約効果を得るためには、どの野菜を選ぶかが極めて重要になります。
闇雲に栽培するのではなく、「元が取れる」野菜の条件を理解して選ぶことが成功への鍵です。
元が取れる野菜には、主に3つの条件が考えられます。
- 収穫量が多い、または収穫期間が長いこと一度植え付けたら、次々と長期間にわたって収穫できる野菜はコストパフォーマンスが高いです。一株あたりの収穫量が多ければ多いほど、購入するよりもお得になります。例えば、ミニトマトやピーマン、きゅうり、ナスなどは、適切な管理をすれば夏から秋にかけて次々と実をつけます。
- 一度の収穫量が多く、保存がきくことじゃがいもやさつまいも、玉ねぎといった根菜類は、一度にたくさんの量を収穫でき、さらに冷暗所で長期間保存することが可能です。これにより、収穫後数ヶ月にわたって野菜を購入する必要がなくなり、食費の節約に大きく貢献します。
- 生育が早く、何度も栽培(輪作)できることラディッシュ(二十日大根)や小松菜、リーフレタスなどの葉物野菜は、種まきから収穫までの期間が1ヶ月から2ヶ月と非常に短いです。そのため、同じプランターで年に何度も繰り返し栽培することができ、継続的に収穫を得られます。
これらの条件のうち、少なくとも一つ、できれば複数を満たす野菜を選ぶことで、かけた費用や労力に見合う、あるいはそれ以上のリターンが期待できるようになります。
コスパ最強で育てやすい野菜を紹介
前述の「元が取れる野菜の条件」を踏まえ、特にコストパフォーマンスが高く、家庭菜園初心者でも育てやすいとされている代表的な野菜をいくつか紹介します。
野菜の種類 | 栽培難易度 | 主な収穫期 | コスパのポイント |
ミニトマト | やさしい | 7月~9月 | 1株から100個以上の収穫も可能。次々と実がなり収穫期間が長い。 |
リーフレタス | やさしい | 4月~6月、9月~11月 | 外側の葉から摘み取れば、株の中心から新しい葉が再生し長期間収穫できる。 |
ピーマン | やさしい | 7月~10月 | 1株で50個以上の収穫が期待でき、秋まで長く採れる。病害虫にも比較的強い。 |
小松菜 | やさしい | 通年(真夏を除く) | 種まきから約1ヶ月で収穫可能。プランターで年に何度も栽培できる。 |
ラディッシュ | やさしい | 4月~6月、9月~11月 | 「二十日大根」の名の通り生育が早く、約1ヶ月で収穫できる。栽培サイクルが早い。 |
ニラ | やさしい | 5月~10月 | 一度植えると株が残り、翌年以降も収穫できる。刈り取ってもまた生えてくる。 |
これらの野菜は、比較的少ない株数からでも多くの収穫が見込めるため、スーパーで購入するよりもお得になる可能性が高いです。
特にミニトマトやリーフレタスは、家庭菜園の入門編として非常に人気があります。
まずはこれらの「鉄板」とも言える野菜から挑戦してみることで、成功体験と節約効果の両方を得やすくなるでしょう。
買うと高い野菜は何かを把握する
節約効果を最大限に高める戦略として、「スーパーで購入すると高価な野菜」を狙って育てるという方法があります。
日常的に購入するには少し躊躇するような価格の野菜も、家庭菜園なら手軽に楽しむことができます。
代表的なのは、バジル、ローズマリー、ミント、パセリ、しそといったハーブ類です。
これらはスーパーでは小さなパックに少量入っているだけで数百円することが多く、頻繁に使う家庭にとっては意外な出費となります。
しかし、ハーブ類の多くは野草に近い性質を持ち、非常に丈夫で育てやすいのが特徴です。
苗を一つ植えておけば、必要な時に必要な分だけ摘んで使えるため、常に新鮮なハーブを料理に加えることができます。
また、みょうがや山椒なども、一度植え付ければほとんど手間をかけずに毎年収穫が期待できる香味野菜です。
これらも購入すると比較的高価なため、家庭菜園で育てるメリットは大きいでしょう。
ベビーリーフも、買うと割高ですが、複数の葉物野菜の種を混ぜてプランターに撒くだけで簡単に栽培でき、サラダなどに重宝します。
このように、購入単価が高い野菜を自分で育てることで、一回あたりの節約額は小さくても、年間を通してみると大きな差となって現れます。
普段の食卓を豊かにしながら、賢く食費を抑えることができるのです。
庭で放ったらかしでも育つ野菜はこれ
「家庭菜園は手間がかかる」というイメージを持つ方や、忙しくてこまめな世話が難しいという方には、比較的放任でも育ってくれる丈夫な野菜がおすすめです。
代表格はさつまいもです。
さつまいもは痩せた土地でも育つため、基本的に肥料は必要ありません。
水やりも、植え付け後に根付くまでは必要ですが、その後は雨水だけで十分に育ちます。
主な作業は、伸びすぎたつるが地面に根を張らないように持ち上げる「つる返し」くらいで、非常に手間がかからない作物です。
かぼちゃも非常に生命力が強く、丈夫な野菜です。
広いスペースを確保する必要があるというデメリットはありますが、一度植え付ければぐんぐんつるを伸ばし、特別な世話をしなくても実をつけてくれます。
また、ニラやミョウガ、アスパラガスといった多年草の野菜も、一度植え付ければ数年間にわたって収穫が楽しめます。
最初の年は株を育てることに専念する必要がありますが、翌年以降は春や夏になると自然に芽を出し、少ない手間で収穫を続けることができます。
もちろん、「放ったらかし」といっても最低限の管理は必要ですが、水やりや追肥の頻度が少なく済むこれらの野菜を選ぶことで、無理なく家庭菜園を続けることが可能になります。
家庭菜園だけで生活するのは現実的か
「家庭菜園だけで生活する」という自給自足のライフスタイルは、多くの人が一度は夢見るかもしれませんが、これを実現するのは極めて難易度が高いのが現実です。
野菜を自給するだけでも、年間を通して途切れることなく収穫できるよう、多種多様な野菜の栽培計画を立て、連作障害を避けながらローテーションを組む必要があります。
また、冬場の食料を確保するためには、収穫した野菜を土中や冷暗所で適切に保存する知識と技術、そして十分な保存スペースが不可欠です。
さらに、生活に必要なのは野菜だけではありません。
米や麦などの主食、肉や魚、卵といったタンパク源、そして塩や砂糖、油などの調味料まで全てを自給するとなると、広大な土地と、農業、畜産、食品加工に関する専門的な知識、そして膨大な時間と労力が求められます。
しかし、完全な自給自足は難しくても、家庭菜園を通じて野菜の「自給率」を高めることは十分に可能です。
例えば、北海道で暮らすある家庭では、冷蔵庫を使わずに、夏の間に収穫した野菜や、春に採れる山菜などを活用し、一年間スーパーで野菜を買わない生活を実践している例もあります。
結論として、家庭菜園だけで生活するのは現実的ではありませんが、食費の節約や食の安全、そして自然と触れ合う喜びを得る手段として、自分の生活に合った規模で野菜の自給を目指すことは、非常に価値のある取り組みと言えるでしょう。
家庭菜園が節約にならないを防ぐには
この記事を通じて解説してきたポイントをまとめます。家庭菜園が節約にならないという状況を防ぎ、楽しみながら家計の助けとするためには、以下の点を意識することが大切です。
メモ
- 家庭菜園が節約にならない主な原因は初期費用と維持費
- 費やした手間と収穫量のバランスが悪いと割高に感じる
- 全ての野菜がお得になるわけではなく買った方が安い野菜もある
- プランターや道具は専用品にこだわらず身近なもので代用する
- 雨水タンクの活用で水道代を節約できる
- 再生栽培(リボベジ)は種苗代をかけずに始められる有効な手段
- 自家製堆肥を作れば肥料代の節約とごみ削減になる
- 元が取れる野菜は「収穫量が多い」「収穫期間が長い」「保存がきく」
- 初心者はミニトマトやリーフレタスなどコスパ最強の野菜から始める
- バジルやパセリなど買うと高いハーブ類を育てると節約効果が高い
- 手間をかけたくない場合はさつまいもなど放ったらかしでも育つ野菜を選ぶ
- 栽培計画を立てて育てすぎによる無駄を防ぐ
- 家庭菜園だけで生活するのは非常に困難だと理解する
- 節約効果だけでなく新鮮で安全な野菜が手に入る価値も考慮する
- まずは無理のない範囲で楽しみながら続けることが最も重要