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一年中咲く花をプランターで!育てやすい多年草の選び方

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一年中咲く花をプランターで!育てやすい多年草の選び方

玄関先やベランダを彩るガーデニングに憧れるけれど、プランターで花を育てるのは初心者には難しそう、と悩んでいませんか。

せっかくなら一年中咲く花を育てやすいプランターで楽しみたいものですが、失敗や後悔を避けたい気持ちもあるかと思います。

実は、ほったらかしでも毎年咲く花、特に多年草を選べば、管理がぐっと楽になります。

まずは気候の良い春に植える花から始めて、ガーデニングの楽しさを実感してみましょう。

屋外での栽培では、虫がつきにくい花は何か、冬の寒さに強い花はどれか、といった疑問も出てきます。

中には、種をばらまくだけで咲く花もあり、驚くほど手軽に始めることも可能です。

この記事では、あなたの「一年中、育てやすい花をプランターで楽しみたい」という願いを叶えるための、具体的な方法と花の選び方を詳しく解説していきます。


この記事を読むことで、以下の点が明確になります。

  • 毎年楽しめる育てやすい多年草の選び方
  • 虫や寒さに強く、管理が楽な花の具体的な種類
  • プランター栽培で失敗しないための基本的な育て方
  • 初心者でも手軽に始められる花の管理のコツ

一年中咲く花育てやすいプランター選びの基本

  • プランターで花を育てる初心者のポイント
  • ほったらかしで毎年咲く花は多年草が中心
  • まずは挑戦しやすい春に植える花から
  • 屋外の日当たりと風通しを好む花の種類
  • 栽培が楽になるおすすめプランターの選び方
  • 育てやすさ重視なら虫がつきにくい花は?

 

プランターで花を育てる初心者のポイント

プランターで花を育てる初心者のポイント

プランターを使ったガーデニングは、庭がない方や初心者の方でも気軽に始められる最適な方法です。

地植えのように広範囲の土壌作りから始める必要がなく、園芸店などで手に入る「草花用の培養土」を使えば、すぐにでも栽培を開始できます。

この手軽さが、プランター栽培の大きな魅力の一つと言えます。

また、植物にとって最適な環境を維持しやすい点も、見逃せないメリットです。

例えば、春は日当たりの良い場所に、日差しが強すぎる真夏は半日陰に、長雨や台風の際には軒下や室内に、といった具合に簡単に移動させられます。

植物の状況に合わせて管理できるため、枯らしてしまうリスクを減らすことが可能です。

一方で、注意点も存在します。

プランターは土の量が限られているため、地植えに比べて土が乾燥しやすく、特に夏場は水切れを起こしやすい傾向にあります。

さらに、数年育てていると鉢の中で根がいっぱいになる「根詰まり」を起こし、生育が悪くなることもあります。

これらのデメリットを理解し、適切な水やりや定期的な植え替えを行うことが、プランターで上手に花を育てるための第一歩となります。

ほったらかしで毎年咲く花は多年草が中心

ほったらかしで毎年咲く花は多年草が中心

ガーデニングで毎年花を楽しむためには、植物のライフサイクルを理解することが大切です。

植物は主に「一年草」と「多年草」に分けられ、手間をかけずに長く楽しみたい方には多年草が適しています。

一年草は、種をまいてから一年以内に発芽、成長、開花、結実し、そして枯れていく植物です。

生育スピードが速く、ワンシーズンで豪華な花をたくさん咲かせる魅力があります。

しかし、毎年花を楽しむには、種まきや苗の植え付けを繰り返す必要があります。

これに対して多年草は、一度植えると2年以上生存し、毎年花を咲かせる植物です。

植え替えの手間が省け、年々株が大きく成長していく様子を楽しめます。

多年草の中には、冬になると地上部が枯れて根だけで越冬し、春に再び芽吹く「宿根草(しゅっこんそう)」と呼ばれるタイプも含まれます。

ただし、多年草の中には本来の原産地では冬を越せても、日本の厳しい寒さには耐えられずに枯れてしまう「非耐寒性多年草」もあります。

これらは日本の気候では一年草として扱われることが多いですが、冬場に室内へ取り込むなどの対策をすれば、冬越しさせることも可能です。

このように、手間をかけずに毎年花を楽しみたい場合は、日本の気候に適した多年草や宿根草を選ぶことが基本となります。

まずは挑戦しやすい春に植える花から

まずは挑戦しやすい春に植える花から

ガーデニングを始めるのに最も適した季節は、気候が穏やかで植物の生育に適した春です。

3月から5月頃に植え付けを行うと、失敗が少なく、初心者の方でもガーデニングの楽しさを存分に味わうことができます。

春に植える花は種類が非常に豊富で、カラフルな花々が長期間楽しめる品種がたくさんあります。

 春植えにおすすめの花の例

 

  • サフィニアシリーズ(ペチュニア):春のガーデニングの定番で、夏の暑さにも強く、春から秋まで次々と花を咲かせ続けます。生育旺盛でボリュームが出やすく、初心者でも育てやすいのが特徴です。
  • ミリオンベルシリーズ(カリブラコア):小さなベルのような花を株いっぱいに咲かせます。暑さや雨に強く、咲き終わった花を自動で落とす性質(セルフクリーニング)があるため、花がら摘みの手間がかからない点が魅力です。
  • マックスマム:1株で驚くほど大きく成長し、ダイナミックな花のボリューム感を楽しめます。生育スピードが速く、まとまりの良い美しい草姿に育ちます。

これらの花は、植え付け後の管理が比較的容易で、秋まで長く花を楽しませてくれます。

初めてのプランター栽培は、このような育てやすい春の花から挑戦してみるのが良いでしょう。

屋外の日当たりと風通しを好む花の種類

屋外の日当たりと風通しを好む花の種類

ほとんどの花は、健全な成長のために十分な日光と良好な風通しを必要とします。

屋外でプランターを置く際は、これらの環境条件を考慮して場所を選ぶことが、花を元気に育てるための基本です。

日光は、植物が光合成を行い、成長するためのエネルギー源となるため不可欠です。

多くの四季咲き性多年草、例えばゼラニウムやナデシコ、スーパーアリッサムなどは、半日以上直射日光が当たる場所で花つきが良くなります。

日照不足になると、茎がひょろひょろと間延びしたり、花数が減ったりする原因になります。

同時に、風通しの良さも病害虫を防ぐ上で非常に大切です。

空気がよどんだ場所では湿度が高まり、うどんこ病などのカビが原因の病気や、アブラムシなどの害虫が発生しやすくなります。

ただ、全ての植物が強い直射日光を好むわけではありません。

サマーミストやエンジェルスイヤリング、ウインティーのように、夏の強い日差しを嫌い、半日陰(一日のうち数時間だけ日が当たる場所)を好む品種もあります。

ご自宅のベランダや玄関先の日当たり具合をよく観察し、その環境に適した花を選ぶことが、失敗しないための鍵となります。

栽培が楽になるおすすめプランターの選び方

栽培が楽になるおすすめプランターの選び方

花を育てる上で、植木鉢であるプランター選びは意外と重要な要素です。

デザイン性だけでなく、素材やサイズが植物の生育に大きく影響します。

プランターのサイズ

一般的に、初心者の方が扱いやすいのは直径24cm(8号)から30cm(10号)程度のサイズです。

小さすぎる鉢は土の量が少なく、水切れや根詰まりを起こしやすくなります。

逆に大きすぎると、土がなかなか乾かずに過湿状態になり、根腐れの原因になることもあります。

植える花の最終的な大きさを想定して、適切なサイズを選びましょう。

プランターの素材

プランターには様々な素材があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

置く場所や育てる植物の特性に合わせて選ぶと、管理が楽になります。

素材 メリット デメリット・注意点
素焼き(テラコッタ) 通気性・排水性が良く根が呼吸しやすい、ナチュラルな風合い 重い、割れやすい、土が乾燥しやすい
陶器 高級感がありデザインが豊富、重量があり安定する 重く移動が大変、通気性は素焼きより劣る、比較的高価
プラスチック 軽量で移動が楽、安価で手に入りやすい、保水性が高い 通気性・排水性が劣る、夏場に土が高温になりやすい、経年劣化する
木製 自然な風合いで植物と馴染む、通気性が良い 種類によっては腐りやすい、耐久性に劣る場合がある
ブリキ デザイン性が高くおしゃれ、軽量 熱が伝わりやすく土の温度が変化しやすい、錆びやすい、直接植えるより鉢カバー向き

初心者の方には、軽くて扱いやすく、水持ちも良いプラスチック製のプランターから始めてみるのがおすすめです。

デザインにこだわりたい場合は、プラスチックの鉢を好みの鉢カバーに入れて楽しむという方法もあります。

育てやすさ重視なら虫がつきにくい花は?

育てやすさ重視なら虫がつきにくい花は?

ガーデニングを楽しみたいけれど、虫は苦手という方は少なくありません。

植物を育てる上で害虫を完全に避けることは難しいですが、虫がつきにくい性質を持つ花を選ぶことで、その悩みは大幅に軽減されます。

一般的に、ハーブ類など独特の香りを持つ植物には、害虫が嫌う忌避成分が含まれていることが多く、防虫効果が期待できます。

虫よけ効果が期待できる花の例

  • マリーゴールド:根から分泌する成分が土の中の害虫「センチュウ」を、特有の香りが「アブラムシ」や「コナジラミ」を遠ざける効果があります。野菜と一緒に植えるコンパニオンプランツとしても非常に有名です。
  • ラベンダー:人間にとっては心地よい香りですが、この香りに含まれる「リナロール」という成分は、ハエや蚊、ガなどの害虫を寄せ付けにくくします。
  • ゼラニウム:蚊が嫌うとされる「シトロネラール」という香り成分を含んでいます。ヨーロッパの窓辺によく飾られているのは、虫除けの習慣も兼ねていると言われています。
  • 除虫菊(シロバナムシヨケギク):天然の殺虫成分「ピレスロイド」を含み、蚊取り線香の原料としても知られています。

これらの花をプランターで育てたり、他の植物と寄せ植えにしたりすることで、薬剤の使用を減らしながら、害虫の発生を抑えることが可能です。

ただし、あくまで「つきにくい」だけであり、全くつかないわけではありません。

日頃から植物をよく観察し、風通しを良く保つなどの基本的な管理を怠らないことが大切です。


一年中咲く花育てやすいプランター栽培のコツ

  • 種をばらまくだけで咲く花で手軽に始める
  • 日本の冬でも安心!特に寒さに強い花は?
  • 長く花を楽しむための水やりと肥料の基本
  • 四季咲き性を保つ上手な花がら摘み
  • まとめ:一年中咲く花育てやすいプランターの秘訣

 

種をばらまくだけで咲く花で手軽に始める

種をばらまくだけで咲く花で手軽に始める

ガーデニングの一般的な始め方は、生産者さんが育てた苗を購入して植え付ける方法ですが、もっと手軽に始めたい方には、種をプランターに直接まくだけで育つ花がおすすめです。

この方法は「直まき(じかまき)」と呼ばれ、育苗ポットで苗を育てる手間が省けるため、初心者の方でも気軽に挑戦できます。

直まきに適した花は、移植を嫌う性質を持つものが多く、種から芽が出てそのままその場所で力強く成長していきます。

 直まきにおすすめの花の例

  • ネモフィラ:春に瑠璃色の可憐な花を咲かせます。秋(9月~10月)に種をばらまき、軽く土をかぶせるだけで、比較的簡単に発芽します。
  • ニゲラ:繊細で個性的な花姿が魅力です。別名「クロタネソウ」の名の通り、黒い種が特徴。光が当たると発芽しにくい「嫌光性種子」なので、種まき後はしっかりと土をかぶせるのがポイントです。
  • ヤグルマギク:丈夫で育てやすく、特に青花は強健です。種が比較的大きく扱いやすいのも初心者には嬉しい点です。
  • ケイトウ:夏から秋にかけて、燃えるような鮮やかな花を咲かせます。発芽には高い温度が必要なので、十分に暖かくなった5月以降に種をまくのが適しています。

種から育てることで、芽生えから成長、開花までの全過程を観察でき、ガーデニングの醍醐味をより深く味わうことができます。コストを抑えられるというメリットもあります。

日本の冬でも安心!特に寒さに強い花は?

日本の冬でも安心!特に寒さに強い花は?

花の少なくなる冬の時期にも、玄関先やベランダを彩ってくれる健気な花々があります。

耐寒性の高い品種を選べば、日本の厳しい冬を乗り越え、春まで長く花を楽しむことが可能です。

特にパンジーやビオラは冬のガーデニングの代表格で、品種改良によって非常に寒さに強く、育てやすいものが数多く登場しています。

 寒さに強く冬から楽しめる花の例

  • フィオリーナ(ビオラ):寒さや水切れに強く、秋から春まで驚くほどたくさんの花を咲かせ続けます。ドーム状にこんもりと育ち、満開時の姿は圧巻です。
  • ミルフル(フリル咲きビオラ):豪華なフリルが入った花弁が特徴で、冬でも次々と安定して開花します。アンティークな色合いなど、豊富な花色から選ぶ楽しさがあります。
  • ボンザマーガレット:秋と春の二度、たくさんの花を楽しめます。ピンチ(摘芯)をしなくても自然にドーム状にまとまるため、お手入れが非常に楽です。
  • ウインティー(サクラソウ):優しい色合いの花穂をふんわりと立ち上げ、春の訪れを感じさせてくれます。半日陰でも育てやすく、開花期間が長いのも魅力です。
  • クリスマスローズ:うつむき加減に咲くシックで上品な花姿が人気です。冬の1月から3月にかけて開花し、花の少ない時期の庭を華やかにしてくれます。

これらの花を選ぶことで、一年を通してプランターガーデニングを楽しむことができます。

冬場の管理では、霜に直接当てないように軒下に置くなどの工夫をすると、より美しい状態で花を保てます。

長く花を楽しむための水やりと肥料の基本

長く花を楽しむための水やりと肥料の基本

植物を元気に育て、たくさんの花を長く咲かせ続けるためには、適切な水やりと肥料が欠かせません。

この二つはガーデニングの基本中の基本であり、コツを掴めば初心者でも上手に管理できます。

水やりのポイント

水やりの基本は、「土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。

常に土が湿っている状態は、根が呼吸できなくなる「根腐れ」の原因になります。

逆に、土が乾いているのに水を与えないと「水切れ」で枯れてしまいます。

「乾と湿のメリハリ」を意識することが何よりも大切です。鉢を持ち上げてみて、軽くなっていたら水やりのサインと判断する方法もあります。

肥料の与え方

肥料には、植え付け時に土に混ぜ込む「元肥(もとごえ)」と、生育の途中で与える「追肥(ついひ)」があります。

市販の培養土の多くには元肥が含まれているため、自分で混ぜる必要はありません。

追肥は、花を次々と咲かせるための栄養補給です。

植え付けから約1ヶ月後を目安に与え始めます。追肥には主に二種類あります。

  • 置肥(おきごえ):土の上に置く固形タイプの肥料です。水やりのたびにゆっくりと溶け出し、長期間効果が持続します。月に1回程度、規定の量を与えます。
  • 液肥(えきひ):水で薄めて使う液体タイプの肥料です。即効性があり、与えてすぐに効果が現れやすいのが特徴です。週に1回程度、水やり代わりに与えます。

置肥を基本とし、さらに花の勢いをつけたい時に液肥を併用すると効果的です。

ただし、肥料のやりすぎは根を傷める「肥料焼け」の原因になるため、必ず製品に記載された使用方法、濃度、頻度を守りましょう。

四季咲き性を保つ上手な花がら摘み

四季咲き性を保つ上手な花がら摘み

四季咲き性の多年草を長く楽しむためには、「花がら摘み」という地道なお手入れが非常に効果的です。

これは、咲き終わってしぼんだ花(花がら)を摘み取る作業のことを指します。

この作業が必要な理由は、植物の習性にあります。

多くの植物は、花が終わると種子を作るためにエネルギーを集中させようとします。

花がらをそのままにしておくと、株全体の養分が種子作りに使われてしまい、新しい蕾をつけるためのエネルギーが不足してしまいます。

結果として、花数が減ったり、株が弱ったりする原因になるのです。

花がらをこまめに摘み取ることで、植物は「まだ種子を作れていない」と判断し、次々と新しい花を咲かせようとします。

このひと手間が、結果的に開花期間を長くし、株全体の勢いを保つことにつながるのです。

摘み取る際は、花だけを摘むのではなく、花がついている茎の付け根から切り取るのが基本です。

ハサミを使っても、手でポキッと折れるものであれば手で摘んでも構いません。

ただし、ミリオンベルやサンク・エールのように、品種改良によって花がら摘みが不要な「セルフクリーニング」機能を持つ植物もあります。

お手入れを少しでも楽にしたい場合は、こうした品種を選ぶのも一つの方法です。

まとめ:一年中咲く花育てやすいプランターの秘訣

この記事では、初心者の方がプランターで一年中花を楽しむための選び方や育て方のコツを解説してきました。

最後に、重要なポイントをまとめます。

  • プランター栽培は初心者でも気軽に始められる
  • 毎年楽しむなら植え替え不要の多年草がおすすめ
  • 一年草はワンシーズンで華やかな花を楽しめる
  • 気候の良い春に植える花から始めると失敗が少ない
  • 日当たりと風通しの良い場所が花の育成に適している
  • 半日陰でも育つ花もあるので環境に合わせて選ぶ
  • プランターは素材ごとの特徴を理解して選ぶ
  • 初心者には8号から10号程度のサイズが扱いやすい
  • ハーブなど香りのある花は虫がつきにくい傾向がある
  • 冬の寒さに強い品種を選べば一年中花を楽しめる
  • 土の表面が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり水やりする
  • 植え付け約1ヶ月後から定期的に追肥を行う
  • 咲き終わった花をこまめに摘むと次の花が咲きやすくなる
  • 品種によっては花がら摘みが不要なものもある
  • 基本的な管理に慣れればガーデニングはもっと楽しくなる

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