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プランターで茎ブロッコリーの育て方|初心者向け栽培ガイド

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プランターで茎ブロッコリーの育て方|初心者向け栽培ガイド

家庭菜園で人気の茎ブロッコリーですが、プランターでの育て方に不安を感じていませんか。

特に初心者の方であれば、適切なプランターサイズや深さの選び方、苗の植え付け時期と正しい植え方で迷うことがあるかもしれません。

また、収穫量を増やすための摘心や追肥のタイミング、さらには悩ましい防虫ネットの利用法や冬越しの方法について、具体的な知識が求められます。

この記事では、茎ブロッコリーをプランターで育てる際に知っておきたいポイント、例えば収穫はどこから始めるべきか、葉っぱは切るのかといった細かな疑問まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。

失敗や後悔を避け、豊かな収穫の喜びを味わうための実践的な知識を、ぜひこの記事で手に入れてください。

  • プランター栽培の準備と苗の正しい植え方
  • 収穫量を増やすための栽培管理のコツ
  • 病害虫対策と長く収穫を続けるためのポイント
  • 収穫方法から冬越しまでの具体的な手順

茎ブロッコリーの育て方|プランター栽培の始め方

  • 初心者でもプランターで簡単栽培
  • 推奨プランターサイズと必要な深さ
  • 苗の植え付け時期と正しい植え方
  • 収穫量を増やす摘心のコツ
  • 追肥のタイミングと与える量

初心者でもプランターで簡単栽培

初心者でもプランターで簡単栽培

茎ブロッコリーは、一般的なブロッコリーと比べて省スペースで栽培でき、次々と伸びるわき芽を長期間収穫できるため、プランターでの家庭菜園に非常に適した野菜です。

畑がなくても、ベランダなどの限られたスペースで手軽に始められるのが大きな魅力と言えます。

主な品種には「スティックセニョール」「グリーンボイス」などがあり、いずれも育てやすく、初心者の方におすすめです。

これらの品種は、1株から10本以上、多いときには15本ものわき芽が収穫可能で、アスパラガスに似た甘みと食感を楽しめます。

一方で、栽培が簡単とはいえ、最低限のポイントを押さえる必要はあります。

例えば、日当たりや水やり、肥料の管理を怠ると、株が弱って収穫量が減ってしまいます。

特に、水のやりすぎによる過湿は根を傷める原因となるため注意が必要です。

この記事で解説する基本的なルールを守れば、初心者の方でも失敗なく、たくさんの茎ブロッコリーを収穫できるでしょう。

推奨プランターサイズと必要な深さ

推奨プランターサイズと必要な深さ

茎ブロッコリーのプランター栽培を成功させるためには、適切なサイズのプランターを選ぶことが最初の鍵となります。

株が健全に生育するためには、根が十分に張れるだけのスペース、つまり土の容量が必要不可欠です。

一般的には、標準サイズの野菜用プランターである、容量30L~40Lの大型サイズが推奨されます。

具体的には、幅50cm~60cm、奥行き40cm程度のものが使いやすいでしょう。

深さについては、最低でも20cm以上、できれば30cm程度の深さがあるものが理想的です。

もし1株だけを栽培するのであれば、直径30cm、深さ30cm程度の丸い深鉢でも対応できます。

プランターが小さすぎると、根が窮屈になる「根詰まり」を起こしやすくなります。

根詰まりすると、水分や養分の吸収が滞り、株の生育が著しく悪化するだけでなく、水切れも頻繁に起こり管理が難しくなります。

そのため、苗が小さいうちは大きく感じるかもしれませんが、最終的な株の大きさを想定し、初めから十分なサイズのプランターを用意することが、豊かな収穫への近道です。

鉢底石と培養土の準備

プランターの準備として、まず底に鉢底石を敷き詰めます。

これは、排水性を高め、根腐れを防ぐための重要な工程です。

鉢底石をネットに入れて使うと、土の入れ替え時に分別しやすくなります。

その上に、野菜用の培養土をプランターの縁から2~3cm下まで入れます。

市販の野菜用培養土には、あらかじめ元肥が含まれているものが多く、初心者の方でも手軽に土作りができて便利です。

苗の植え付け時期と正しい植え方

苗の植え付け時期と正しい植え方

茎ブロッコリーの栽培は、種からでも苗からでも始められますが、初心者の方には管理が容易で失敗の少ない苗からの栽培がおすすめです。

植え付けに適した、本葉が5~6枚程度に育った元気な苗を用意しましょう。

栽培時期の目安

植え付け時期は、主に春と秋の2シーズンです。栽培する地域によって多少異なりますが、一般的な時期の目安は以下の通りです。

栽培型 種まき 植え付け 収穫
春まき栽培 2月中旬~4月 3月下旬~5月 5月下旬~7月上旬
秋まき栽培 7月上旬~8月中旬 8月上旬~9月中旬 10月中旬~翌2月頃

特に秋まきは、生育初期が高温期にあたるものの、その後の涼しい気候でじっくり育つため、病害虫の被害が少なく、甘みがのりやすいと言われています。

苗の植え方

  1. プランターに入れた培養土に、苗の根鉢(ポットの土部分)がすっぽり入るくらいの大きさの穴を掘ります。株間は40cm~50cmほど確保すると、葉が茂っても風通しが良く、病気の予防になります。
  2. 植え穴にじょうろでたっぷりと水を注ぎ、水が土に染み込むのを待ちます。
  3. ポリポットから苗を優しく取り出します。このとき、根鉢を崩さないように注意するのがポイントです。
  4. 苗を植え穴に入れ、周囲の土を寄せて軽く押さえます。茎ブロッコリーは過湿を嫌うため、根元が少し高くなるように浅めに植える「高植え」を意識すると根腐れ防止に繋がります。
  5. 植え付けが終わったら、再度プランターの底から水が流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。

収穫量を増やす摘心のコツ

 

茎ブロッコリーの収穫量を格段に増やすために、絶対に欠かせない作業が「摘心(てきしん)」です。

摘心とは、最初に株の中心にできる花蕾(頂花蕾)を意図的に摘み取る作業を指します。

この作業を行うことで、株の栄養が頂花蕾の生長に集中するのを防ぎ、わき芽(側枝花蕾)の発生と生育を強力に促進できます。

頂花蕾をそのまま大きく育ててしまうと、わき芽の数が減ったり、生育が悪くなったりするため、茎ブロッコリー本来の魅力を十分に引き出せません。

摘心のタイミングと方法

摘心のタイミングは、頂花蕾が500円玉くらいの大きさ(直径で約2~3cm)になったときが最適です。

これより早すぎても遅すぎても、わき芽の生育に良い影響を与えません。

摘心は清潔なハサミやナイフを使って行います。

切り口から病原菌が侵入するのを防ぐため、できるだけスパッと切れる道具を使いましょう。

切る際は、茎を少し長めに残して切るのがコツです。

また、雨が降ったときに切り口に水が溜まって腐敗するのを防ぐため、切り口が少し斜めになるように切ると良いでしょう。

この摘心作業と同時に最初の追肥を行うことで、わき芽は勢いよく伸び始めます。

少しもったいないように感じるかもしれませんが、この一手間が後のたくさんの収穫に繋がるため、必ず適切なタイミングで実施してください。

追肥のタイミングと与える量

追肥のタイミングと与える量

茎ブロッコリーは生育期間が長く、次々とわき芽を収穫できるため、たくさんの肥料を必要とする野菜です。

これを「肥料食い」とも言います。

そのため、元肥だけでは途中で肥料切れを起こし、収穫量の減少や品質の低下に繋がってしまいます。

安定して長く収穫を楽しむためには、適切なタイミングでの追肥が不可欠です。

1回目の追肥

最初の追肥は、前述の通り、頂花蕾の「摘心」と同時に行います。

これが、わき芽の生育を促すためのスタートダッシュとなります。

化成肥料(N-P-Kが8-8-8など同率のもの)を1株あたり約10g、株元にパラパラとまき、周辺の土と軽く混ぜ合わせるようにして株元に寄せます。

液体肥料を使用する場合は、規定の倍率に薄めたものを週に1回程度、水やりを兼ねて与えるのが目安です。

2回目以降の追肥

1回目の追肥以降は、2週間に1回のペースで追肥を続けるのが基本です。

毎回、1株あたり10gの化成肥料を株元に施します。

追肥の際は、毎回同じ場所に与えるのではなく、プランターの縁に沿って場所を変えながら施すと、根が効率よく肥料を吸収できます。

追肥を続けることで、株は元気を保ち、次々と甘くて美味しいわき芽を伸ばしてくれます。

葉の色が薄くなってきたら肥料が不足しているサインの可能性もあるため、植物の様子をよく観察しながら、追肥を忘れないように管理することが大切です。

茎ブロッコリーの育て方|プランター栽培の管理と収穫

  • 防虫ネットで害虫や鳥から守る
  • 収穫はどこから?わき芽を楽しむ
  • ブロッコリーの葉っぱは切るべき?
  • 茎ブロッコリーの冬越しの注意点
  • 茎ブロッコリーの育て方|プランター栽培の要点

防虫ネットで害虫や鳥から守る

防虫ネットで害虫や鳥から守る

茎ブロッコリーはアブラナ科の野菜であり、残念ながら多くの害虫にとってごちそうです。

特に、アオムシ、コナガの幼虫、ヨトウムシなどは葉や蕾を食害し、アブラムシは新芽にびっしりと付着して株を弱らせます。

これらの害虫被害を防ぐ最も効果的で安全な方法は、物理的に侵入を防ぐ「防虫ネット」の利用です。

防虫ネットは、苗を植え付けた直後からすぐにプランター全体を覆うように設置します。

U字型の支柱などをプランターに数本立て、ネットが葉に直接触れないように空間を確保してかけるのがポイントです。

ネットの裾に隙間があるとそこから害虫が侵入するため、プランターの縁を紐で縛るか、洗濯バサミなどでしっかりと留めてください。

鳥による被害にも注意

また、冬場になると、ヒヨドリなどの鳥がブロッコリーの柔らかい葉を食べに来ることがあります。

鳥は食欲旺盛で、一晩で葉を食べ尽くしてしまうこともあるため、鳥害対策は必須です。

防虫ネットは、虫だけでなく鳥の侵入も防ぐことができるため、冬の間も外さずにかけ続けておくことを強く推奨します。

もし株が大きく育ってネットの高さが足りなくなった場合は、より背の高い支柱に交換するなどの工夫が必要です。

農薬を使いたくない家庭菜園において、防虫ネットはまさに守護神のような存在です。

初期投資はかかりますが、一度購入すれば数年使えるため、必ず設置するようにしましょう。

収穫はどこから?わき芽を楽しむ

収穫はどこから?わき芽を楽しむ

摘心後、順調に育てば株の葉の付け根から次々とわき芽(側枝花蕾)が伸びてきます。

いよいよ、茎ブロッコリー栽培の醍醐味である収穫の始まりです。

収穫の目安は、わき芽の先端についている蕾の直径が2~3cm程度(500円玉大)になり、蕾がキュッと固く締まっている状態のときです。

茎の長さが15cm~20cmに伸びたものが収穫に適しています。

収穫が遅れてしまうと、蕾が緩んで黄色い花が咲き始め、食味や食感が著しく落ちてしまいます。

花が咲く前に収穫することを心がけましょう。

収穫方法

収穫は、清潔なハサミを使って行います。

目的のわき芽の付け根から、茎ごと切り取ります。

このとき、わき芽のすぐ下にある葉を1枚一緒に残して切ると、さらにその下から新しい芽が出やすくなると言われています。

追肥を続ける限り、条件が良ければ1株から合計で15本程度のわき芽が次々と収穫できます。

一度にたくさん収穫するのではなく、収穫適期になったものから順番に摘み取っていくことで、長く収穫を楽しむことができます。

収穫したての茎ブロッコリーは、甘みと風味が格別です。

塩茹でにしてマヨネーズを添えるだけでも、立派な一品になります。

ブロッコリーの葉っぱは切るべき?

ブロッコリーの葉っぱは切るべき?

茎ブロッコリーを育てていると、大きく広がる葉をどう扱うべきか迷うことがあります。

基本的には、光合成を行って株の生育に必要なエネルギーを作り出す重要な器官なので、健全な緑色の葉をむやみに切る必要はありません。

ただし、以下のようなケースでは葉を切ることが推奨されます。

切った方が良い葉

  • 枯れた葉や黄色くなった古い葉(下葉):これらは光合成の能力が低下しており、そのままにしておくと風通しを悪くして病気の原因になることがあります。見つけ次第、付け根から取り除きましょう。
  • 病気や害虫の被害にあった葉:被害の拡大を防ぐため、早めに取り除きます。
  • 密集しすぎて風通しを妨げている葉:内側の葉に日光が当たらず、湿気がこもりやすくなっている場合は、一部の葉を間引くことで病害虫のリスクを低減できます。

茎ブロッコリーの葉は食べられる

ちなみに、収穫した茎ブロッコリーの葉や、間引いた若い葉は食べることができます。

栄養価も高く、特にカロテンやビタミンCが豊富です。

硬い葉脈を取り除けば、炒め物やおひたし、スープの具など、さまざまな料理に活用できます。

捨てる前に、一度味わってみるのも家庭菜園の楽しみの一つです。

茎ブロッコリーの冬越しの注意点

茎ブロッコリーの冬越しの注意点

秋に植えた茎ブロッコリーは、冬の間も収穫が続きます。

ブロッコリー自体は寒さに比較的強い野菜なので、厳しい霜や雪に長時間さらされなければ、特別な防寒対策なしで冬越しが可能です。

むしろ、寒さに当たることで甘みが増し、美味しくなるとも言われています。

冬越しで最も注意すべき点は、寒さそのものよりも「鳥による食害」です。

前述の通り、冬になり餌が少なくなってくると、ヒヨドリなどがブロッコリーの柔らかい葉を狙ってやってきます。

防鳥対策が冬越しの鍵

これを防ぐために、防虫ネットは冬の間も絶対に外さないでください。

これが最も効果的な防鳥対策となります。株が生長してネットの高さが足りなくなった場合は、より背の高い支柱(100cm~120cm程度)に交換し、ネットをかけ直す必要があります。

ネットの目が粗いものや、防鳥糸だけでは、賢い鳥は隙間を見つけて侵入してくることがあるため、10mm目程度の細かいネットで全体をしっかりと覆うことが大切です。

この対策を怠ると、せっかく育てた株の葉がほとんど食べられてしまい、光合成ができなくなって株が弱り、春先の収穫が見込めなくなることもあります。

茎ブロッコリーの冬越しは「防寒」よりも「防鳥」と心得て、しっかりとネットでガードしてあげましょう。

茎ブロッコリーの育て方|プランター栽培の要点

この記事では、初心者の方でもプランターで茎ブロッコリーを上手に育てるための方法を、準備から収穫、そして冬越しまで一通り解説しました。

最後に、成功のための重要なポイントをまとめます。

  • 茎ブロッコリーは省スペースで長期間収穫できプランター向き
  • 品種は「スティックセニョール」などが初心者におすすめ
  • プランターは容量30L以上、深さ30cm程度の大型を選ぶ
  • 小さすぎるプランターは根詰まりや生育不良の原因になる
  • 苗は本葉が5~6枚に育ったものを植え付ける
  • 植え付け時期は春と秋、秋まきは甘みが増しやすい
  • 植え付けは根鉢を崩さず、やや浅植えにするのがコツ
  • 収穫量を増やすには頂花蕾の摘心が不可欠
  • 頂花蕾が500円玉大になったら摘心する
  • 追肥は摘心と同時に始め、その後は2週間に1回が目安
  • 植え付け直後からプランター全体を防虫ネットで覆う
  • 冬越しではヒヨドリなどの鳥害対策としてネットが必須
  • 収穫はわき芽の蕾が固く締まっているうちに行う
  • 茎の長さが15~20cmになったものが収穫の目安
  • 枯れた下葉や病気の葉は早めに取り除く
  • 茎ブロッコリーの葉も栄養豊富で食べることができる

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