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きゅうり1本仕立てのコツ|支柱や品種選びも解説

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きゅうり1本仕立てのコツ|支柱や品種選びも解説

この記事では、きゅうりの一本仕立てに関するあらゆる疑問にお答えします。

支柱の立て方に焦点を当て、誰でもできる簡単な方法から、ネットを活用した支柱一本仕立て、さらには支柱やネットなしでの栽培方法まで、幅広く解説。

比較対象として、2本仕立てや支柱を二本仕立てにする方法にも触れていきますので、ご自身の栽培環境に最適な方法を見つける手助けとなるはずです。

  • きゅうりの一本仕立ての基本的な考え方とメリット
  • 一本仕立てに適した品種とそうでない品種の違い
  • 支柱の簡単な立て方からネットの活用法まで
  • つる下ろしなど、より多く収穫するための管理テクニック

 

きゅうり 1本仕立ての基本とメリット

  • きゅうりは何本仕立てが基本ですか?
  • 一本仕立てに適した品種の選び方
  • 適切な株間で苗を植え付けよう
  • 長く収穫するためのつる下ろしのコツ
  • 比較解説!きゅうりの2本仕立てとは

 

きゅうりは何本仕立てが基本ですか?

きゅうりは何本仕立てが基本ですか?

きゅうりの仕立て方に「これが唯一の正解」というものはありませんが、家庭菜園では主に「一本仕立て」「摘心栽培」が基本とされています。

一本仕立ては、親づる(主枝)一本だけを伸ばし、そこから出るわき芽(子づる)は基本的に摘み取ってしまう方法です。

管理が非常にシンプルで、風通しが良くなるため病気になりにくいという大きなメリットがあります。

特にプランターなどの限られたスペースで栽培する方におすすめです。

一方、摘心栽培は親づるが一定の高さに達したら先端を切り(摘心)、子づるや孫づるを伸ばして実をならせる方法です。

短期間に多くの実を収穫できる可能性がありますが、枝が混み合って管理が複雑になりやすい側面も持ち合わせています。

どちらの仕立て方を選ぶかは、栽培スペースやどれくらいの期間、どのように収穫したいかによって決めると良いでしょう。

仕立て方の主な種類

  • 一本仕立て:管理が簡単で病気に強い。省スペース向け。
  • 摘心栽培:短期間で多収穫を狙えるが、管理が複雑になりがち。

一本仕立てに適した品種の選び方

一本仕立てに適した品種の選び方

きゅうりの一本仕立てを成功させるには、品種選びが非常に重要です。結論から言うと、「節成り(ふしなり)」タイプの品種を選びましょう。

節成りタイプが最適な理由

節成りタイプのきゅうりは、その名の通り、主枝のほぼ全ての節に雌花が咲き、実がなる性質を持っています。

一本仕立てではわき芽を摘み取ってしまうため、主枝に直接実がなるこのタイプが最も効率的です。

少ないスペースと手間で、安定した収穫が期待できます。

代表的な品種には「フリーダム」や「スタートダッシュ節成」などがあります。

これらの品種は初期から収穫量が多く、プランター栽培にも向いています。

飛び節成りタイプとの違い

一方で、「飛び節成り」と呼ばれるタイプの品種は、主枝の節に雌花がつく割合が30〜50%程度です。

その分、子づるや孫づるが旺盛に伸び、そちらに多くの実をつけます。

このため、飛び節成りタイプは、つるを複数伸ばす「摘心栽培」に向いており、一本仕立てにはあまり適していません。

品種選びで迷ったら、苗のラベルや種袋に「節成り」や「主枝着果型」といった記載があるかを確認してみてください。

これが一本仕立て成功への第一歩になりますよ!

品種タイプによる特徴と適した仕立て方
タイプ 特徴 一本仕立てとの相性 代表的な栽培方法
節成りタイプ 主枝の各節に雌花がつきやすい ◎(最適) 一本仕立て、つる下ろし栽培
飛び節成りタイプ 子づるや孫づるに雌花がつきやすい △(不向き) 摘心栽培、放任栽培

適切な株間で苗を植え付けよう

適切な株間で苗を植え付けよう

きゅうりの苗を植え付ける際、株間(かぶま)、つまり苗と苗の間隔を適切に保つことは、健全な生育のために欠かせません。

一本仕立ての場合、推奨される株間はおおむね50cm以上です。

わき芽を摘み取るため、摘心栽培ほど枝は混み合いませんが、葉は大きく茂ります。

十分な株間を確保することで、日当たりと風通しが良くなり、病害虫の発生を抑制できます。

また、根が十分に張るスペースを確保できるため、株が健全に育ち、結果として収穫期間が長くなることにも繋がります。

株間が狭すぎるデメリット

株間が狭すぎると、葉が密集して湿気がこもりやすくなります。

これは、うどんこ病やべと病といった、きゅうりがかかりやすい病気の原因となります。

また、養分や水分の奪い合いが起こり、株全体の生育が悪くなる可能性もあるため注意が必要です。

長く収穫するためのつる下ろしのコツ

長く収穫するためのつる下ろしのコツ

一本仕立てできゅうりを育てていると、親づるは驚くほどのスピードで成長し、あっという間に支柱のてっぺんに達してしまいます。

ここで役立つのが「つる下ろし」というテクニックです。

これを行うことで、限られた高さの支柱でも長期間にわたって収穫を続けることが可能になります。

つる下ろしは、伸びきった親づるを慎重に下へ引き下ろす作業です。具体的な手順は以下の通りです。

  1. きゅうりの茎を支柱に固定している誘引クリップや紐を、上の方からいくつか外します。
  2. 茎を傷つけないように注意しながら、ゆっくりと親づるを真下に引き下げます。一度に下ろす長さは30cm〜50cm程度が目安です。
  3. 下ろして余った茎の部分は、地面につかないように、支柱の根元あたりでゆるやかに円を描くように巻いておきます。
  4. 外したクリップを、再び茎と支柱を固定するように留め直します。

この作業を定期的に繰り返すことで、常に手の届く範囲で新しい実を収穫し続けることができます。

まさに、一本仕立ての収量を最大化するための重要な管理作業と言えるでしょう。

比較解説!きゅうりの2本仕立てとは

比較解説!きゅうりの2本仕立てとは

一本仕立てと比較される方法として「2本仕立て」があります。

これは、主枝である親づると、株元から5〜7節あたりで発生した勢いの良い子づるを1本だけ残し、その2本を主軸として育てる方法です。

主なメリットは、つるが2本になることで葉の数が増え、光合成が活発になり、結果として一本仕立てよりも収穫量が増える可能性がある点です。

特に、栽培期間全体での総収量を重視する場合に有効な方法と言えます。

ただ、つるが2本になる分、枝葉が混み合いやすくなるため、一本仕立てに比べて整枝(枝を整理すること)の手間が増えるというデメリットもあります。

通気性を確保するための葉かき(古い葉を取り除く作業)なども、よりこまめに行う必要が出てくるでしょう。

どちらを選ぶ?

  • 手軽さ・省スペース重視なら:一本仕立て
  • 総収穫量を増やしたいなら:2本仕立て

ご自身の栽培スタイルやかけられる手間を考えて選ぶのがおすすめです。


実践!きゅうり 1本仕立ての栽培方法

  • 支柱を簡単に立てる方法
  • 支柱と一本仕立てでのネット活用法
  • 支柱とネットなしでの栽培は可能か
  • 支柱の立て方:二本仕立ての場合
  • まとめ:きゅうり 1本仕立て成功のコツ

 

支柱を簡単に立てる方法

支柱を簡単に立てる方法

きゅうりの栽培に支柱は不可欠です。

つるを上に伸ばすことで、日当たりや風通しを確保し、病気を防ぎます。

家庭菜園で最も簡単かつ一般的なのは「直立式」「合掌式」です。

直立式の立て方

直立式は、植え付けた株の横に支柱を1本、まっすぐ地面に突き刺すだけの最もシンプルな方法です。

きゅうりのつるが伸びてきたら、麻ひもや誘引クリップで数節おきに留めていくだけで済みます。

強度に不安がある場合は、数本の支柱を立て、横方向にも支柱を渡して固定すると安定します。

この横に渡した支柱が、つるを誘引する際の助けにもなります。

合掌式の立て方

合掌式は、畝の両側から支柱を斜めに立て、頂点で交差させて固定する方法です。

見た目が合掌しているように見えることからこの名がついています。

直立式よりも風に強く、安定性が高いのが特徴です。

複数の株を育てる場合におすすめの方法と言えるでしょう。

支柱を立てるタイミングは、苗を植え付けた直後がベストです。

後から立てると、すでに伸びている根を傷つけてしまう可能性がありますからね。

支柱と一本仕立てでのネット活用法

支柱と一本仕立てでのネット活用法

一本仕立てであっても、支柱にきゅうり用の園芸ネットを張ることは非常に有効です。

ネットを併用することで、いくつかのメリットが生まれます。

最大のメリットは、誘引作業が格段に楽になることです。

きゅうりには「巻きひげ」があり、自らネットに絡みついて成長していきます。

そのため、ひもで一つ一つ留めていく手間が大幅に省けるのです。

また、つるがネット全体に分散するため、株への負担が軽減され、風通しもさらに良くなります。

ネットの張り方のコツ

ネットを張る際は、ただ張るだけでなく、上下に「張りひも」を通してから支柱に固定するのがおすすめです。

こうすることで、ネットがたるむのを防ぎ、きゅうりの重みで歪んでしまうのを防げます。

ぴんと張った状態を保つことが、きれいに誘引するポイントです。

支柱とネットなしでの栽培は可能か

支柱とネットなしでの栽培は可能か

「支柱を立てたりネットを張ったりするのは面倒…」と感じる方もいるかもしれません。

結論として、支柱とネットなしでもきゅうりの栽培は可能ですが、いくつかの注意点があります。

この方法は「地這い(じばい)栽培」と呼ばれ、つるを地面に這わせて育てます。

最大のメリットは、支柱やネットの設置・片付けの手間が一切かからないことです。

地這い栽培のデメリットと注意点

一方で、デメリットも少なくありません。

  • 病気になりやすい:葉が地面に接して密集するため、雨の後の泥はねや湿気が原因で、べと病などの病気が発生しやすくなります。
  • 広いスペースが必要:つるが四方八方に伸びるため、立体的な栽培に比べてかなり広い面積を必要とします。
  • 果実の品質:実が地面に直接触れるため、汚れたり、形が悪くなったり、虫に食われたりするリスクが高まります。

手間がかからない反面、収穫量や品質は支柱を立てる方法に比べて劣る傾向があることを理解しておく必要があります。

支柱の立て方:二本仕立ての場合

支柱の立て方:二本仕立ての場合

前述の通り、2本仕立ては親づると子づるの2本を伸ばす栽培方法です。

この場合、1本のつるを誘引する一本仕立てよりも、つるを掛けるスペースが多く必要になります。

そこでおすすめなのが「合掌式」の支柱です。

畝をまたぐように支柱を組むことで、左右に2本のつるをバランス良く振り分けて誘引することができます。

片側に親づる、もう片側に子づるを這わせるように管理すると、枝葉が混み合うのを防ぎ、作業がしやすくなります。

また、合掌式の側面にネットを張れば、さらに誘引が容易になります。

2本のつるがそれぞれネットに絡みつきながら成長してくれるため、管理の手間を大きく減らすことが可能です。

まとめ:きゅうり 1本仕立て成功のコツ

  • きゅうりの一本仕立ては管理が簡単で省スペース栽培に向いている
  • 品種は主枝に実がつく「節成り」タイプを選ぶのが絶対条件
  • 苗を植える際は日当たりと風通しを考え株間を50cm以上確保する
  • 支柱のてっぺんまで伸びたら「つる下ろし」で長期収穫を目指す
  • 一本仕立ては親づる1本、二本仕立ては親づると子づる1本を伸ばす
  • 支柱は植え付け直後に立てるのが根を傷めず最適
  • 簡単なのは株の横に立てる「直立式」の支柱
  • 強度と安定性を求めるなら「合掌式」の支柱がおすすめ
  • 支柱に園芸ネットを張ると誘引の手間が大幅に削減できる
  • ネットはたるまないように「張りひも」を通してぴんと張るのがコツ
  • 支柱やネットを使わない「地這い栽培」は手間いらずだが病気のリスクが高い
  • 地這い栽培は果実が汚れやすく広いスペースが必要になる
  • 二本仕立てにする場合はつるを2方向に分けやすい合掌式支柱が適している
  • どの仕立て方でも風通しを良くすることが病気予防の基本
  • 栽培方法に合わせ、最適な品種と支柱の立て方を選ぶことが成功への近道

 

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