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プランターで中玉トマトの育て方|初心者でも失敗しないコツ

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プランターで中玉トマトの育て方|初心者でも失敗しないコツ

プランターで中玉トマトの育て方|初心者でも失敗しないコツ

UnsplashDani Californiaが撮影した写真

家庭菜園で人気の中玉トマト。

プランターを使った中玉トマトの育て方に挑戦してみたいけれど、何から始めたら良いか分からず、不安に感じていませんか。

ミニトマトより食べ応えがあり、大玉トマトより手軽に育てられるのが中玉トマトの魅力です。

この記事では、プランターのサイズ選びから、家庭菜園向きの甘い品種ランキング、さらには種から育てる際の鉢上げのやり方まで、栽培の全工程を網羅的に解説します。

また、収穫量を左右する支柱の立て方や日々の剪定、より多くの実をつける2本仕立ての技術、そして生育の最終段階で重要になる摘芯はいつ行うべきか、といった専門的な知識も分かりやすくお伝えします。

正しい知識を身につければ、初心者の方でも美味しい中玉トマトをたくさん収穫することが可能です。

この記事を読むことで、以下の点が明確になります。

  • 栽培を始める前の最適な品種やプランターの選び方
  • 種から苗を育て、畑に植え付けるまでの具体的な手順
  • 日々の管理で重要となる水やり、剪定、誘引のコツ
  • 収穫量を増やし、美味しい実をならせるための応用技術

失敗しない中玉トマトの育て方 プランター栽培の基本

中玉トマトのプランター栽培を成功させるためには、栽培を始める前の準備が非常に重要です。

ここでは、品種選びから苗を植え付けるまでの基本的な手順と、それぞれの工程で押さえておくべきポイントを詳しく解説します。

  • 家庭菜園で人気の甘い品種ランキング
  • 最適なプランターのサイズ選び
  • 中玉トマトを種から育てる手順
  • 苗が育ったら行う鉢上げのやり方
  • 苗を支える支柱の立て方とコツ

家庭菜園で人気の甘い品種ランキング

家庭菜園で人気の甘い品種ランキング

中玉トマトの栽培を始めるにあたり、最初の楽しみであり、成功の鍵を握るのが品種選びです。

品種によって甘さ、酸味、育てやすさが大きく異なるため、ご自身の好みや栽培環境に合ったものを選ぶことが大切になります。

特に家庭菜園では、病気に強く、味が良い品種が好まれる傾向にあります。

例えば、「フルティカ」は糖度が高く、皮が薄くて食感が良いことから非常に人気があります。

また、「シンディスイート」も甘みと酸味のバランスが絶妙で、濃厚な味わいが楽しめる定番品種と言えるでしょう。

節水管理なしでも甘くなりやすい「Mr.浅野のけっさくⅡ」のような、初心者向けの品種も登場しています。

以下に、家庭菜園で特に人気のある代表的な品種の特徴をまとめました。どれを選ぶか迷った際の参考にしてください。

品種名 糖度の目安 果重の目安 特徴
フルティカ 8度前後 40~50g 甘みが強く皮が薄い。食感が良く、裂果しにくい定番品種。
シンディスイート 9度前後 35~40g 甘みと酸味のバランスが良く濃厚。病気にも強く育てやすい。
レッドオーレ 7~8度 40~50g フルーティーで酸味が少ない。ゼリー質が多めの独特な食感。
Mr.浅野のけっさくⅡ 8度前後 30g 節水なしでも甘くなりやすい。裂果に強く初心者でも安心。
夏てまり® 記載なし 50~60g 甘みと酸味のバランスが良く、病気に強く安定して収穫できる。

これらの情報をもとに、あなたが「食べてみたい」「育ててみたい」と感じる品種を選ぶことから、楽しいトマト栽培をスタートさせてください。

最適なプランターのサイズ選び

最適なプランターのサイズ選び

品種が決まったら、次にトマトが育つ家となるプランターを選びます。

プランターのサイズは、根が十分に張れるスペースを確保し、健康な株を育てるために極めて重要な要素です。

結論から言うと、中玉トマト1株に対して、直径・深さともに30cm以上の丸型プランター、または土が15リットル以上入る大型のプランターが推奨されます。

なぜなら、トマトは地中深くまで根を伸ばす性質があり、根が窮屈になると水分や養分の吸収がうまくいかず、生育不良や落果の原因になるからです。

プランターが小さいと、土の量が少ないため夏の暑さで土がすぐに乾燥してしまい、水やりの管理が非常に難しくなるというデメリットもあります。

具体的には、DCMブランドの「菜園ポット」のような直径34cm、高さ30cm程度のものが一つの目安となります。

大型の長方形プランターを使用する場合は、株と株の間隔を40cm~50cm程度あけて、2株まで植え付けるのが良いでしょう。

素材は通気性の良い素焼きや、軽量で扱いやすいプラスチック製などがありますが、ご自身の管理のしやすさで選んで問題ありません。

なお、プランターで栽培する際は、水はけを良くするために鉢底石をネットに入れて底に敷き、その上に野菜用の培養土を入れるのが一般的です。

土はプランターの縁から3cmほど下まで入れ、水やりの際に土や水が溢れないようにスペース(ウォータースペース)を確保することを忘れないでください。

中玉トマトを種から育てる手順

中玉トマトを種から育てる手順

苗を購入して始めるのが一般的ですが、珍しい品種を育てたい場合や、コストを抑えたい場合は種から挑戦するのも一興です。

種から育てる場合、苗になるまで約2ヶ月かかり、適切な温度管理が鍵となります。

 発芽のプロセス

トマトの種の発芽適温は20℃~30℃です。

3月中旬以降、桜の咲く季節が種まきのタイミングの目安となります。

早く発芽させるコツは、湿らせたキッチンペーパーに種を包み、チャック付きの袋に入れて体温で温める方法です。

この方法だと、数日で根が出てくるのが確認できます。

発根した種は、セルトレイや育苗ポットに1粒ずつ丁寧に植え付けます。

土は市販の種まき用培養土を使い、深さ1cmほどの穴に種を置き、優しく土を被せます。

この時期はまだ気温が不安定なため、発泡スチロールの箱に入れたり、ビニールをかけたりして保温と保湿を心がけることが大切です。

 育苗管理

発芽後、双葉が開き、本葉が1~2枚出てきたら、次のステップである「鉢上げ」のタイミングです。

それまでは、土の表面が乾いたら霧吹きなどで優しく水を与え、日当たりの良い室内で管理します。

光が不足すると苗がひょろひょろとした「徒長苗」になってしまうため、十分な光を当ててあげてください。

種から育てるのは少し手間がかかりますが、小さな種から芽が出て、力強く成長していく様子を観察できるのは、栽培の大きな喜びの一つです。

苗が育ったら行う鉢上げのやり方

苗が育ったら行う鉢上げのやり方

種まきから約3週間が経過し、本葉が1~2枚程度に育ったら、より大きなポリポット(直径9cm程度)に植え替える「鉢上げ」という作業を行います。

この作業は、根がさらに成長するためのスペースを確保し、がっしりとした丈夫な苗を育てるために不可欠です。

鉢上げの理由は、小さなセルトレイのまま育て続けると根が詰まってしまい、その後の生育に悪影響が出るからです。

根が伸び伸びと育つ環境を早期に整えてあげることが、健康な苗作りのポイントとなります。

具体的な手順としては、まず9cmのポリポットに新しい培養土を半分ほど入れます。

次に、元のセルトレイや育苗ポットから苗を丁寧に取り出します。

このとき、根を傷つけないように、スプーンやヘラのようなものを使い、根の周りの土ごとすくい上げるようにすると良いでしょう。

決して茎を直接つまんで引き抜かないように注意してください。

取り出した苗を新しいポットの中央に置き、周りから土を足していきます。

土はポットの上端から5mmほど下まで入れ、植え付け後に軽くポットごと地面に打ち付けて土を落ち着かせます。

最後に、ポットの底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えれば鉢上げは完了です。

その後は、最終的にプランターへ定植するまで、このポットで育苗を続けます。

定植の適期は、最初の花(第一花房)が咲き始める頃です。

苗を支える支柱の立て方とコツ

苗を支える支柱の立て方とコツ

苗をプランターに植え付けたら、次に行うのが支柱立てです。

トマトは成長すると背丈が高くなり、実の重みも加わるため、支柱なしでは自立できません。

支柱は、茎が折れたり倒れたりするのを防ぎ、風通しを良くして病気を予防する上で極めて重要な役割を果たします。

支柱の選び方と立て方

中玉トマトの支柱は、最終的な草丈が150cm以上になることを想定し、長さ180cm~210cm程度のものを選ぶのがおすすめです。

プランター栽培の場合、1本の支柱をまっすぐ立てる方法のほか、3本の支柱を組んで安定感を高める「あんどん仕立て」や「合掌式」などがあります。

1本仕立ての場合は、苗の根を傷つけないように、株元から5cmほど離れた場所に支柱をまっすぐに、深くしっかりと差し込みます。

3本支柱のセット品(例えばDCMの「花と野菜のサポート支柱」など)を使うと、リングで支柱同士を固定できるため、より安定性が増し、初心者の方にも扱いやすいでしょう。

 誘引のやり方

支柱を立てたら、トマトの茎を支柱に結びつけていく「誘引」という作業が必要になります。

麻ひもなどを使い、茎と支柱を8の字に結びつけます。

8の字にすることで、茎が成長して太くなっても、ひもが食い込むのを防ぐことができます。

結ぶ際は、茎側には余裕を持たせ、支柱側はしっかりと固定するのがコツです。

この誘引作業は、トマトの成長に合わせて1週間に1回程度、定期的に行っていきます。

収穫量を増やす中玉トマトの育て方 プランターでの管理術

植え付け後の日々の管理が、収穫量と味を大きく左右します。

ここでは、美味しい実をたくさん収穫するために欠かせない、剪定や施肥、そして応用技術である2本仕立てや摘芯について、具体的な方法とタイミングを解説します。

  • 美味しい実を育てるための剪定
  • 収穫量が1.5倍になる2本仕立て
  • 生育を調整する摘芯はいつ行うか
  • 追肥を与えるタイミングと量

美味しい実を育てるための剪定

美味しい実を育てるための剪定

中玉トマトの栽培において、「剪定」、特に「わき芽かき」は、美味しい実を育てるために必須の作業です。

わき芽とは、主となる茎と葉の付け根から生えてくる新しい芽のことを指します。

このわき芽を放置しておくと、そちらにも栄養が分散してしまい、主枝に成るはずの実に十分な養分が行き渡らなくなります。

その結果、実が小さくなったり、味が薄くなったりする原因となります。

また、葉が茂りすぎることで風通しが悪化し、病害虫が発生しやすくなるというデメリットもあります。

わき芽かきは、主枝(メインの茎)1本を力強く育てる「1本仕立て」の基本となる作業です。

わき芽が5cmほどに伸びる前に、手で摘み取るのが最も簡単で、切り口も小さく済みます。

指で根元を挟み、ポキっと横にひねるようにすると簡単に取れるでしょう。

ハサミを使うとウイルス病などを媒介する可能性があるため、できるだけ手で行い、作業前には手をきれいに洗っておくことが大切です。

この作業はトマトの生育中、1週間に1回を目安に定期的に行います。

下のほうの葉が黄色く枯れてきたら、それらの葉も同様に取り除き、株全体の風通しを良好に保つよう心がけてください。

収穫量が1.5倍になる2本仕立て

収穫量が1.5倍になる2本仕立て

基本的な育て方である「1本仕立て」に慣れたら、次は収穫量を増やすための応用技術「2本仕立て」に挑戦してみるのも良いでしょう。

この方法は、生育が旺盛な中玉トマトやミニトマトに適しており、上手に育てれば収穫量を約1.5倍に増やすことが可能です。

2本仕立てとは、主枝(メインの茎)に加えて、わき芽を1本だけ残して伸ばし、合計2本の茎を育てていく方法です。

伸ばすわき芽は、一番最初に咲く花(第一花房)のすぐ下から出てくる、最も勢いの良いものを選ぶのが一般的です。

そのわき芽を残し、それ以外のわき芽はすべて摘み取ります。

この育て方を行う場合、2本の茎を支えるために支柱も2本必要になります。

株を挟むように2本の支柱を立て、それぞれの茎を誘引していきます。プランター栽培で行う場合は、より多くの養分と水分が必要になるため、一回り大きなプランター(直径40cm以上など)を用意し、土の量を十分に確保することが成功の秘訣です。

ただし、2本仕立ては葉が茂りやすくなるため、1本仕立て以上に風通しに気を配る必要があります。

葉が込み合ってきたら、古い下葉を摘み取るなどの管理を徹底しましょう。

たくさんの実を収穫できる魅力的な方法ですが、その分、管理の手間も増える点を理解した上で挑戦してみてください。

生育を調整する摘芯はいつ行うか

生育を調整する摘芯はいつ行うか

「摘芯(てきしん)」とは、主枝の先端(生長点)を摘み取ることで、株の縦方向への成長を止め、残った実へ栄養を集中させるための重要な作業です。これを「芯止め」とも呼びます。

摘芯を行う主な理由は、無限に成長させ続けると栄養が分散し、後半に成る実が大きくならなかったり、味が落ちたりするのを防ぐためです。

特にプランター栽培では土の量や養分が限られているため、適切な段数で収穫を終える計画を立てることが、質の良いトマトを収穫するコツとなります。

摘芯のタイミングは、収穫したい花房の段数が決まったときです。

一般的には、支柱の高さに達した時点や、ご自身の手が届く高さになった時点で行います。

具体的には、収穫目標とする花房(例えば7段目)のすぐ上にある葉を2~3枚残し、その先の主枝の先端をハサミや手で摘み取ります。

花房のすぐ上で摘芯するのではなく、葉を数枚残すのがポイントです。これらの葉が光合成を行い、すぐ下の実を大きくするための養分を作り出す役割を担います。

注意点として、摘芯を行った後は、一番上のわき芽を1~2本残しておくと良いでしょう。

すべてのわき芽を取ってしまうと、養分や水分の吸い上げる力が弱まり、株全体の生育が悪くなることがあるためです。

追肥を与えるタイミングと量

追肥を与えるタイミングと量

プランター栽培では、土に含まれる肥料の量に限りがあるため、生育の途中で栄養を補給する「追肥」が不可欠です。

追肥は、トマトの生育を持続させ、美味しい実を安定して収穫し続けるための生命線となります。

追肥を開始する最初のタイミングは、一番最初に付いた実(第一花房の実)がピンポン玉くらいの大きさに太り始めた頃が目安です。

この時期から、株は実を大きくするために多くのエネルギーを必要とします。

最初の追肥が早すぎると、葉や茎ばかりが茂って実が付きにくくなる「つるぼけ」という状態になる可能性があるので注意が必要です。

具体的な方法としては、最初の追肥を行った後、およそ2週間に1回のペースで定期的に肥料を与えます。

プランター栽培の場合、化成肥料であれば1回あたり約10g~20g(製品の指示に従う)を、株元から少し離れたプランターの縁に沿ってパラパラとまき、軽く土と混ぜ合わせます。

液体肥料を使用する場合は、水で規定の倍率に薄め、1週間に1回、水やりの代わりに与えます。

液体肥料は即効性がありますが、効果の持続期間が短いため、こまめな施肥が必要になります。

肥料が不足すると、葉の色が薄くなったり、実の付きが悪くなったりします。

株の様子をよく観察しながら、適切なタイミングで追肥を行い、収穫終了まで栄養を切らさないように管理することが大切です。

失敗しない中玉トマトの育て方 プランター栽培の要点

この記事では、プランターで中玉トマトを栽培するための方法を、準備から収穫後の管理まで詳しく解説してきました。

最後に、成功のための重要なポイントをまとめます。

  • 品種は甘みや育てやすさを比較して好みのものを選ぶ
  • プランターは1株につき直径・深さ共に30cm以上のものを用意する
  • 種から育てる場合は3月中旬以降に保温しながら発芽させる
  • 本葉が1~2枚になったら9cmポットへ鉢上げを行う
  • 植え付け後は株が倒れないように必ず支柱を立てる
  • 支柱への誘引は茎が太くなることを見越して8の字に結ぶ
  • 実に栄養を集中させるためわき芽は小さいうちに手で摘み取る
  • 収穫量を増やしたい場合は第一花房下のわき芽を伸ばす2本仕立てに挑戦する
  • 支柱の高さまで育ったら葉を2~3枚残して摘芯する
  • 最初の実が太り始めたら2週間に1回のペースで追肥を行う
  • 水やりは土の表面が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷりと与える
  • 葉に水がかかると病気の原因になるため株元に静かに注ぐ
  • 風通しを良くするため黄色くなった下葉は早めに除去する
  • 花が咲いても実が付きにくい場合は着果促進剤を使用する
  • 栽培で困ったことがあれば病害虫の症状などを調べて早めに対処する

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