お家で手軽に家庭菜園を始めてみたいけれど、専用のプランターを準備するのは少しハードルが高いと感じていませんか。
実は、飲み終わった牛乳パックをプランターとして代用することで、誰でも簡単に野菜や花の栽培をスタートできます。
この記事では、基本的な牛乳パックプランターの作り方はもちろん、省スペースで便利な縦型の作り方、水はけを良くするための工夫、さらには色塗りやマスキングテープを使ったおしゃれなデザインのアイデアまで、初心者の方が抱える疑問を一つひとつ解消していきます。
また、ラディッシュやトマトなどの野菜から、朝顔のような花の栽培方法についても解説。
牛乳パックとセットで必要になる受け皿の作り方も紹介するので、この記事を読むだけで、すぐにでも家庭菜園を始める準備が整います。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- 牛乳パックプランターの具体的な作り方
- 見た目をおしゃれに仕上げる装飾のコツ
- 栽培に適した野菜や花の選び方
- 栽培を成功させるための注意点や工夫
牛乳パックプランターの基本と作り方
ここでは、牛乳パックを再利用したプランターの基本的な考え方から、具体的な作成手順、見た目を彩るためのアイデアまでを解説します。
- プランター代用なら牛乳パックが手軽
- 牛乳パックプランターの基本的な作り方
- 牛乳パックで受け皿も作る作り方
- 縦型にすれば省スペースで栽培できる
- 色塗りでオリジナルデザインに挑戦
- マスキングテープでおしゃれに飾るコツ
プランター代用なら牛乳パックが手軽
プランターの代用として、牛乳パックは非常に手軽で優れた選択肢と言えます。
最大の魅力は、なんと言ってもその手軽さです。
多くの家庭で日常的に出るものであるため、新たに購入する費用がかからず、思い立ったその日に準備を始められます。
また、紙製であるため加工が非常に簡単です。
カッターやハサミがあれば誰でも好きな形に切り抜いたり、穴を開けたりすることができます。
プラスチック製のプランターのように特別な工具は必要ありません。
この手軽さから、特に家庭菜園が初めての方や、お子さんと一緒に工作を楽しみながら植物を育てたいと考えている方には最適な素材です。
ただし、メリットだけではありません。
紙製であるため耐久性には限界があります。
長期間、雨風にさらされる屋外で使用すると、水分を吸って変形したり、強度が落ちたりすることがあります。
このため、基本的には室内や軒下など、直接雨が当たらない場所での使用が推奨されます。
これらの特性を理解した上で活用すれば、牛乳パックは家庭菜園の入り口として非常に有効なアイテムとなります。
牛乳パックプランターの基本的な作り方
牛乳パックを使ったプランターの作り方は非常にシンプルで、特別な技術は必要ありません。
ここでは、最も一般的で作りやすい横置きタイプの作成手順を解説します。
準備するもの
- 牛乳やジュースの紙パック(1Lサイズがおすすめ)
- カッターナイフまたはハサミ
- ホッチキス
- キリや画びょうなど、穴を開ける道具
- 小さめのシャベルやスコップ
- 培養土
- 育てたい野菜や花の種
作成手順
- 洗浄と乾燥: まず、使用済みの牛乳パックを内部がきれいになるまで水でよく洗い、しっかりと乾かします。カビや雑菌の繁殖を防ぐため、この工程は丁寧に行いましょう。
- 注ぎ口の固定: 牛乳パックの注ぎ口部分がパカパカと開かないように、ホッチキスで数カ所を固定します。プラスチックキャップ付きのタイプであれば、この工程は不要です。
- 植え付け口の作成: 牛乳パックを横に倒し、側面の一面をカッターで切り抜きます。このとき、縁から1cmほど内側を四角く切り抜くと、土を入れたときに構造が安定しやすくなります。
- 排水穴を開ける: プランターの底になる面(切り抜いた面の裏側)の両サイドに、排水用の穴を開けます。キリや太めの画びょうを使い、底から1cm程度の高さに、2~3cm間隔で数カ所ずつ穴を開けてください。植物の根腐れを防ぐための重要な工程です。
以上の手順で、基本的なプランターは完成です。
非常に簡単なので、お子さんと一緒に作業するのも楽しい時間になるでしょう。
牛乳パックで受け皿も作る作り方
プランターが完成したら、次に必要になるのが水やりの際に流れ出る土や水を受けるための「受け皿」です。
これも牛乳パックを使えば、プランターにぴったりのサイズで簡単に作成できます。
作成手順
- 牛乳パックを開く: プランター用とは別に、もう一つ牛乳パックを用意します。これをハサミで切り開いて、一枚の平らな紙の状態にします。
- サイズの計測: 開いた牛乳パックの上に、先ほど作成したプランター本体を置きます。プランターの底面の形に沿って、ペンで印を付けます。
- 外枠の作成: 印を付けた線から、外側に向かって3~4cmほど余裕を持たせた大きさで、もう一つ四角い線を引きます。この外側の線に沿って、牛乳パックを切り取ります。
- 折り曲げと固定: 内側の線(プランター底面の大きさ)で谷折りになるように、四辺をしっかりと折り曲げます。すると、箱の四隅が立ち上がります。この四隅を三角形に折りたたみ、外側に倒してホッチキスやテープで固定します。
これで、プランター本体にぴったりの受け皿が完成します。
牛乳パックの内側は防水加工がされているため、水漏れの心配も少なく、安心して室内で使うことが可能です。
縦型にすれば省スペースで栽培できる
横置きタイプが一般的ですが、牛乳パックプランターは縦型で使うこともできます。
縦型にすることで、より省スペースになり、ベランダの柵や窓辺など、限られたスペースを有効活用することが可能です。
また、深さを確保できるため、ミニニンジンやラディッシュのような、少し根を伸ばすタイプの根菜類にも挑戦しやすくなります。
作り方は横置きタイプよりもさらに簡単です。
牛乳パックの上部の注ぎ口部分を完全に切り取り、箱型にするだけです。
側面の好きな高さに排水用の穴を数カ所開ければ完成となります。
強度を増したい場合は、上部を数センチ外側に折り返すと、縁が二重になってしっかりします。
比較項目 | 横置きタイプ | 縦置きタイプ |
メリット | ・土の表面積が広く、葉物野菜を複数育てやすい<br>・安定感がある | ・省スペースで設置場所を選ばない<br>・土の深さを確保でき、ミニ根菜に適する |
デメリット | ・設置にやや広いスペースが必要 | ・横置きに比べて倒れやすい可能性がある |
適した植物 | リーフレタス、ベビーリーフ、小松菜など | ミニニンジン、ラディッシュ、ハーブ類など |
このように、育てたい植物や置きたい場所に合わせて、横置きと縦置きを使い分けるのがおすすめです。
どちらのタイプも簡単に作れるので、両方試してみて、ご自身の環境に合ったスタイルを見つけるのも良いでしょう。
色塗りでオリジナルデザインに挑戦
牛乳パックの印刷デザインを隠し、自分だけのオリジナルプランターを作る方法として、色塗りは非常に効果的です。
ペンキやアクリル絵の具を使えば、好みの色やデザインに仕上げることができます。
使用する塗料は、水性ペンキやアクリル絵の具が扱いやすくおすすめです。
これらは乾燥すれば耐水性を持つため、水やりで色が落ちる心配が少なくなります。
特に、お子さんと一緒に作業する場合は、安全性の高い無臭タイプや非毒性のものを選ぶと安心です。
塗装する際は、まず牛乳パックの表面の汚れや油分をきれいに拭き取ります。
下地として白色のペンキを一度塗っておくと、その後に塗る色の発色が格段に良くなります。
一度に厚く塗ろうとせず、薄く塗って乾かし、再度重ね塗りをするのがきれいに仕上げるコツです。こうして、世界に一つだけのオリジナルプランターを作ってみましょう。
マスキングテープでおしゃれに飾るコツ
色を塗るのが少し手間に感じる方や、もっと手軽におしゃれなデザインを楽しみたい方には、マスキングテープを使った装飾が最適です。
マスキングテープはデザインのバリエーションが豊富で、貼ったり剥がしたりが簡単なため、気軽にデコレーションに挑戦できます。
装飾のコツは、まずプランター全体のテーマカラーやデザインを決めることです。
複数の柄のテープを使う場合は、色味を合わせると統一感が出ます。
牛乳パックの側面にテープをまっすぐ貼るだけでも十分おしゃれですが、斜めに貼ったり、異なる幅のテープを組み合わせたりすると、より個性的なデザインになります。
また、防水性を高めたい場合は、マスキングテープを貼った上から、透明なニスやデコパージュ液を塗るという方法もあります。
これにより、テープが水に濡れて剥がれてしまうのを防ぎ、デザインを長持ちさせることが可能です。
手軽さとデザイン性の高さを両立できるマスキングテープは、牛乳パックプランターを彩るための強力な味方と言えるでしょう。
牛乳パックプランターで育てる野菜と花
ここでは、牛乳パックプランターで実際にどのような植物が育てられるのか、具体的な野菜や花の例を挙げながら、栽培のポイントについて解説します。
- 育てる野菜はラディッシュやトマトなど
- 花を育てるなら朝顔にも挑戦できる
- 水はけを良くする穴の開け方のコツ
- 気軽に始める牛乳パックプランターの魅力
育てる野菜はラディッシュやトマトもできる
牛乳パックプランターは、そのコンパクトなサイズから、比較的小さく育つ野菜の栽培に向いています。
特に、ベビーリーフやリーフレタス、小松菜といった葉物野菜は、少ない土の量でも十分に育つため、初心者の方に非常におすすめです。
種をまいてから収穫までの期間が短いものが多く、栽培の喜びを早く実感できます。
また、少し深さのある縦型プランターを使えば、ラディッシュ(二十日大根)のようなミニ根菜の栽培も可能です。
土の中で育つ様子は見えませんが、収穫の瞬間の感動は格別です。
ミニトマトも人気の選択肢の一つですが、こちらは成長すると草丈が高くなるため、支柱を立ててあげる必要があります。
ただし、注意点もあります。
牛乳パックは容量が限られているため、土が乾燥しやすい傾向にあります。
特に夏場は水分の蒸発が激しいため、土の表面が乾いていたら、たっぷりと水を与えることが大切です。
また、肥料も切れやすいため、植物の成長に合わせて液体肥料などを追肥すると、元気に育ちます。
花を育てるなら朝顔にも挑戦できる
牛乳パックプランターでは、野菜だけでなく花の栽培も楽しむことができます。
一年草で育てやすい花が特におすすめで、例えばマリーゴールドやビオラ、パンジーなどは、丈夫で開花期間も長く、初心者でも失敗が少ないでしょう。
もし、つる性の植物に挑戦したいのであれば、朝顔も栽培可能です。
縦長の牛乳パックプランターに植え、窓辺やベランダでネットや支柱を立ててつるを誘引すれば、夏には美しい花を咲かせてくれます。
ただし、朝顔は根を広く張るため、牛乳パック一つにつき一株が目安です。
花を育てる際のポイントは、日当たりの管理です。
多くの花は日光を好むため、できるだけ日当たりの良い場所に置いてあげることが、花付きを良くする鍵となります。
また、咲き終わった花(花がら)をこまめに摘み取ることで、株の消耗を防ぎ、次々と新しい花を咲かせる助けになります。
手軽なプランターで、季節の移ろいを感じさせてくれる花を育ててみてはいかがでしょうか。
水はけを良くする穴の開け方のコツ
牛乳パックプランターで植物を育てる上で、最も重要な要素の一つが「水はけ」です。
水はけが悪いと、土の中に水分が溜まりすぎて根が呼吸できなくなり、「根腐れ」という状態を引き起こしてしまいます。
これを防ぐためには、排水用の穴を適切に開けることが不可欠です。
穴を開ける位置は、プランターの底になる部分です。
横置きタイプの場合は、地面に接する面の「側面」、つまり角に近い部分に開けるのが効果的です。
底の真ん中に開けるよりも、水がスムーズに排出されやすくなります。
穴の大きさは、直径5mm~1cm程度が目安で、キリやドライバー、太めの画びょうなどで開けます。
数は多めに、2~3cm間隔でぐるりと一周開けておくと安心です。
さらに水はけを向上させる工夫として、プランターの底にペットボトルのキャップなどを数個置き、その上に牛乳パックを乗せる方法があります。
こうすることで、プランターの底面と受け皿の間に空間ができ、空気の通り道が確保されて、排水穴からの水の抜けが格段に良くなります。
これらの少しの工夫が、栽培の成功率を大きく左右します。
気軽に始める牛乳パックプランターの魅力
この記事で解説してきたポイントを、最後に箇条書きでまとめます。
- 牛乳パックプランターは費用をかけずに始められる
- 特別な工具不要で誰でも簡単に作れる
- 横置きと縦置きの2タイプがあり用途で選べる
- 横置きは葉物野菜、縦置きはミニ根菜に向いている
- 受け皿も牛乳パックで作成可能
- 色塗りやマスキングテープで自由にデザインできる
- 使用する塗料は安全な水性タイプがおすすめ
- ベビーリーフやラディッシュは初心者向き
- ミニトマトや朝顔の栽培には支柱が必要
- 水はけが最も重要で根腐れに注意する
- 排水穴は底の側面に多めに開けるのがコツ
- プランターの底を浮かせる工夫で水はけが向上する
- 土が乾燥しやすいため水やりはこまめに
- 成長に合わせて適宜追肥を行う
- 家庭菜園の第一歩として最適な選択肢